
サーモンの養殖試験が今季も始まり、いけすに未成魚を流し入れた(八峰町の岩館漁港で)

日本サーモンファームから仕入れた重さ約800㌘の未成魚
八峰町の若手漁業者らでつくる「八水」(菊地陽一社長)は27日、同町の岩館漁港で今季のトラウトサーモンの養殖試験を始めた。県の委託事業で初めて行った昨季の500匹から2倍の1千匹の未成魚を用意し、漁港内に浮かべたいけすに流し入れた。重さ約3㌔まで育て、来年5月上旬から順次水揚げし、出荷する予定。目標に昨季と同じ生存率8割を掲げている。
サーモンの養殖試験は、近年のハタハタの漁獲量減少や漁船の燃料費高騰で苦境に立たされる漁業者の収入確保や、漁師の担い手不足解消を目指す「育てる漁業」の試み。昨年12月に県から委託され、県内初の取り組みとして始まった。
今年5月に361匹を揚げ、販売を担うイオン東北(本社・秋田市)に出荷し、「岩館サーモン(養殖)」として県内各店舗で販売。価格調査などで揚げたサーモンを含めると391匹に上った。
今季は八水が県の秋田版蓄養殖フロンティア事業費補助金と町つくり育てる漁業推進補助金を活用して実施。青森県深浦町でサーモンの養殖を手掛ける「日本サーモンファーム」から重さ約800㌘の未成魚1千匹を仕入れ、新たにいけす(5㍍×7㍍)1個を用意するなど昨季から規模を拡大した。
26日に日本サーモンファームの大峰川中間養殖場(深浦町)から未成魚を岩館漁港にトラックで運び、同日午後6時から12時間かけて淡水で飼育されていた魚を海水に慣らす「馴致」という作業を行った。
27日は八水の社員9人が午前8時30分に作業を開始。サーモンを入れた2500㍑の活魚タンク9個を用意し、1時間かけてホースを使っていけすに未成魚を流し入れた。
餌やりなどを経て、来年5月上旬から複数回に分けて100~200匹ずつを揚げる。8割に当たる800匹の生存を目指し、今季もイオン東北に出荷するほか、競りに掛ける。町内の福祉施設や子ども園にも寄贈する考え。
菊地社長(43)=八峰町八森岩館=は「重さ3㌔を目指して頑張りたい。昨季のように、しけに悩まされないことを願っている」と話した。
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