空手の授業導入 礼儀作法もしっかり 鵡川中 地域住民が講師 むかわ
むかわ町の鵡川中学校(阿部隆之校長)は、体育の武道の授業で空手を取り入れている。胆振教育局によると、管内の中学校で授業に空手を導入しているのは6月末時点で同校を含む2校。空手を専門にする教員が少ないなどの理由から全道的にも極めて珍しいという。同校では12日までに計8時間行い、外部講師として地域の住民が武道の礼儀作法なども含めて生徒を指導した。

全員で息を合わせて形を披露する鵡川中の生徒
関係者によると、中学校体育の武道は柔道を経験している教員が多いことから柔道を採用する学校が一般的。しかし、同校は専用の道場や畳がないことから、体育館のフロアの上でもできる武道を模索。6年前から空手を採用し、町教育委員会を介して外部に講師を依頼している。
今年度は1、2年生を対象に11月下旬から今月12日までの計8時間、空手の授業を実施。町職員で少年団を指導する山本徹さん(62)、阿部俊介さん(40)が毎週月曜日の午前中、同校に足を運び、団体で技を披露する形を手ほどきした。
生徒にも好評で、2年の三上期央さん(13)は「体の使い方が難しいが、みんなで協力しながら形をやるのはいいことだし、護身術にもなるのでは」と前向きにとらえる。同じく2年の斉藤友乃さん(14)も「チームのみんなで協力することの大切さを学んだ」と話す。
体育科の三上勇人教諭(28)は「赴任時は空手の知識がなく、生徒と授業を見ながら一緒に覚えてきたところ。外部講師がいることで手厚く指導できるし、(柔道のように)男女の区分けで苦労することなくできるので負担軽減にもつながる」と分析。生徒指導の面でも効果があると言い、「空手の後になると、あいさつがよくなったりもします」と目を細める。
山本さんは「空手は危険と思われがちだが、形はけがのリスクが少なく、感染症対策としてマスクを外さずにできる」と説明。「継続することで先生たちも流れが分かってくると思うし、生徒にも団体の形を通して協調性なども学んでもらい、空手の普及にもつながれば」と今後に期待を寄せている。
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