
多くの観客の感動を誘った能代市民ミュージカル第5話「~鳥形編~大正・のしろ物語」(能代市文化会館大ホールで)
能代市民ミュージカル実行委員会(今立善子実行委員長)の第5回公演「~鳥形編~大正・のしろ物語」は11日、市文化会館大ホールで上演された。新型コロナウイルスの影響で中止や延期を重ね、約2年ぶりの公演で、この日を待ちわびた市内外のファン約800人が来場。疫病や凶作といった苦境の中でも希望を持って前向きに生きていく大切さを描いたストーリーを出演者らが熱演し、観客の感動を誘った。
作品は、民主主義の価値観が広まったり、大衆文化の隆盛が見られた一方、冷害による凶作、農家の困窮に伴う婦女子の身売り、スペイン風邪の流行といった負の一面もあった大正時代にスポットを当てた。
主人公の千代は、家族が小作料を払えないため、13歳の時に身売りされ、遊郭に連れて行かれそうになるが、さまざまな縁から人情が厚い女将(おかみ)が営む温泉旅館の下働きとなる。娘は女将ら旅館の従業員、周囲の人たちに支えられて立派な女中に成長。20歳の時に里帰りし、二度と会えないと思っていた家族と再会する──というストーリー。
今作はキャストやスタッフ約50人が参加。今立さん演じる「善ババ」のコミカルな演技と能代弁、能代ミュージカル・キッズの子どもたちの純朴な姿が観客らを和ませた。劇終盤では鳥形地区に伝わる伝統芸能「鳥形獅子踊り」も披露。出演者は2年ぶりに上演できる喜びをかみしめながら生き生きと演じ、観客から温かい拍手が送られていた。
今立さんは「新型ウイルスとの闘いだったが、新人3人を含む『全員ミュージカル』で公演に臨むことができた。鳥形獅子踊り保存会の皆さんの協力もあり、無事に終えられてうれしい」と達成感をにじませた。
市民ミュージカルは平成28年に、NPO法人市芸術文化協会の能代ミュージカル製作委員会から独立したメンバーで結成。同年に上演した「五能線物語」を皮切りに能代の歴史や社会情勢を庶民の生活や視点から描いた作品を上演してきた。
いずれの作品も脚本や音楽、振り付けなど全てを市民がつくり上げる市民参加型のミュージカルとして制作・上演され、市内外のファンを楽しませてきた。
関連記事
諏訪湖マラソン10月22日 定員は6500人 長野県
秋の諏訪湖畔を駆け抜ける第35回諏訪湖マラソン(長野県、諏訪地方6市町村、長野日報社で構成する諏訪圏健康推進協議会主催)は10月22日、長野県諏訪市の諏訪湖ヨットハーバーを発着点とするハーフマラソ...
6個人8団体入賞 花と緑の街角コン表彰式
第21回花と緑の街角コンテスト(八重山毎日新聞社主催・メイクマン石垣店共催)の表彰式が25日午前、八重山毎日新聞社会議室で行われ、各部門で入賞した6個人8団体に賞状と記念品、堆肥目録が贈られた。 ...
「まちあるき呑み歩き」代替イベント開幕 長野県諏訪市
長野県諏訪市街地の酒蔵や神社仏閣などを巡るイベント「まちあるき呑み歩き」(同実行委員会主催)の代替えイベントが11日、諏訪市内で始まった。初日は、諏訪市内の酒蔵5軒でつくる諏訪五蔵会が「諏訪五...
斬新リメーク作品に感嘆 きものサンバ千恵子さん能代で展示会
着物や帯をリメークし、斬新な「和の服」を創作しているきものサンバ千恵子さん(本名・山形千恵子)=茨城県=の展示会が8日、能代市柳町の旧料亭金勇「満月の間」で開かれ、袋帯や色打ち掛け、黒留め袖...