高価なプラチナ使わず発電可能な燃料電池用 「窒素ドープカーボン触媒」開発 鶴岡高専と筑波大 九州大共同研究チーム
鶴岡工業高等専門学校と筑波大、九州大の共同研究チームは、希少で高価なプラチナを使わず発電できる安価な燃料電池用の「窒素ドープカーボン触媒」を開発した。希少金属を使わないものとしては世界最高レベルの性能を持つ。耐久性も高く燃料電池の製造コストを大幅に抑えられることから燃料電池を動力とする車への応用が期待される。
水素と酸素からエネルギーを作り出す燃料電池は現在、プラチナ触媒が使われているが、埋蔵量が限定されていることもあり、価格(プラチナ触媒5グラムで約15万円)は高い。燃料電池の普及には、プラチナを使わない新たな触媒開発が求められている。
共同研究は、鶴岡高専の卒業生で筑波大大学院2年の本間海斗さん(24)=鶴岡市出身=が所属する研究室で進められてきた。本間さんは触媒を使った電極の性能を上げるため、鶴岡高専時代の担当教員だった伊藤滋啓准教授と森永隆志教授に協力を求めた。筑波大の武安光太郎助教を含め計7人で今冬、研究チームを立ち上げた。
チームは炭素触媒の炭素分子の一部を窒素原子と入れ替える実験を繰り返し、プラチナ触媒と同じ働きをする「窒素ドープカーボン触媒」を完成させた。さらに森永教授の主導で開発した高分子材料「ポリマーブラシシリカ粒子」を添加し、発電力を上げた。この触媒を使った燃料電池のコストは10分の1から50分の1ほどに抑えられる可能性があるという。
森永教授は「世界に通用する研究に貢献できて誇らしく思う。まだ発展段階だが、さらに性能が高い水素燃料電池の開発を進めていきたい」、伊藤准教授は「成長した本間君と再び研究を共にできたのはとても喜ばしいこと。筑波大と肩を並べられる鶴岡高専の研究力をアピールできたと思う」と話した。母校の鶴岡高専と筑波大の橋渡し役となった本間さんは「鶴岡高専時代の研究の重要性を改めて感じることができた。これからもプラチナを使わない燃料電池の実用化と普及に向けて研究を続けていきたい」と語った。
【触媒とは】化学反応の速度を速める物質。燃料電池は、触媒が水素をイオン化させることで電気が発生する。

発電力を向上させたポリマーブラシシリカ粒子を持つ森永教授(左)と窒素ドープカーボン触媒を使った燃料電池を持つ伊藤准教授
関連記事
武井武雄の童画キャラでアクスタ 岡工高生がグッズ開発
岡谷工業高校(長野県岡谷市)情報技術科の3年生が、同市出身の童画家、武井武雄(1894~1983年)の作品をモチーフにしたアクリルスタンド(アクスタ)を開発した。武井作品を収蔵するイルフ童画館...
那智の滝もカチコチ 滝つぼや岩肌凍る
近畿地方の上空に強い寒気が流れ込んでいる影響で、和歌山県の那智勝浦町那智山では23日、日本一の落差(133メートル)を誇る直瀑「那智の滝」の岩肌や滝つぼが凍り付いた。 那智の滝は、世界遺産・...
ワカサギ 釣り解禁 苫小牧錦大沼公園
冬の風物詩のワカサギ釣りが23日、苫小牧市樽前の錦大沼で解禁された。連日の寒気で、昨年より19日早い解禁。防寒着を着込んだ家族連れらが早朝から続々と訪れ、思い思いに釣り糸を垂らす光景が広がった。 ...
庄内で養殖事業化目指す 県漁協主体に初の取り組み 60団体初会合 7魚種可能性..
スルメイカなど主要魚種の不漁が続いている庄内浜で、県漁業協同組合(本間昭志代表理事組合長)が主体となり、養殖事業の可能性を探る「庄内養殖事業コンソーシアム会議」の初会合が22日、酒田市船場町二丁目...

