障害がある人たちの芸術作品展「無心の森―アール・ブリュット」が１５日、山口市亀山町の県立美術館（北村敏克館長）のロビーで始まった。鮮やかなアクリル画や色鉛筆画、工芸品など作家の個性が光る力作１１０点が並んでいる。１２月１１日まで。

　作品展は、障害者の文化芸術活動を推進し、自立の促進や社会参加につなげようと、県などでつくる実行委員会（委員長・中野良寿山口大教育学部教授）が開いた。今回は県が２０１９年度から昨年度にかけて行った「障害者文化芸術作品等調査・発掘事業」で見いだした１３人の作家が数点ずつ出展した。

　アール・ブリュットはフランスの画家ジャン・デュビュッフェ（１９０１～８５年）が提唱した「生の芸術」を意味する言葉。専門的な美術教育を受けていない人が独自の発想や表現方法によって生み出した芸術作品を指す。

　ロビーには油性ペンで描いた抽象画、文字が書き込まれたアコースティックギター、陶芸のオブジェなどが展示されている。訪れた人は豊かな表現力で作られた作品を心行くまで楽しんでいる。

　宇部市在住の金谷大策さん（５２）は、カラフルなしま模様をあしらった動物の絵を出展。「これまでで一番の作品に仕上がった。見てくれた人に上手だねと言ってもらえれば」と話していた。

　ロビーで開催するため観覧無料。作品の写真撮影もできる。開館時間は午前９時～午後５時（入館は４時）。１１月２１、２８日は休館する。

　地元関係の出展者は次の通り。（敬称略）

　▽山口市＝中村憲司、宮崎大樹、用殿卓哉▽宇部市＝金谷大策