規格外農作物活用健康機能を共同研究 コールドプレスジュース開発
鶴岡市のまちづくり会社「カクギン」(鈴木裕士社長)が、地元の規格外農作物を活用したコールドプレスジュースを開発し、今月から専用サイトで販売を開始した。ユネスコ食文化創造都市・鶴岡でフードロスの削減を目指す取り組み。同社はこの商品の健康機能性について、慶應義塾大先端生命科学研究所発ベンチャー・メタジェン(鶴岡市、福田真嗣社長)と共同研究を始めた。メタジェンの解析技術で、腸内環境に与える影響を評価し、価値を付加する可能性を探る。
コールドプレスジュースは、熱の発生が少ない低速回転のジューサーで搾ったジュースで、熱に弱いビタミン類や酵素が残る一方、繊維質は取り除かれる。
同市の鶴岡銀座商店街振興組合設立のカクギンは、廃棄処分されてしまう規格外農作物を積極的に活用する方法として、コールドプレスジュースに着目し、「THE OOS(オース)」のブランド名で今月2日から販売を始めた。同社のジュース(200ミリリットル、800円)には、約1000グラムのリンゴやニンジン、ホウレンソウなどの規格外野菜・果物が含まれている。日本のフードロスは年間約552トンに及ぶとされ、その課題解決を視野に開発した。
共同研究では、異なるジュースをそれぞれ4週間続けて飲んだ各被験者の腸内環境をメタジェンが評価。腸内細菌叢(そう)や代謝物質、排便状況データから統合解析を行い、健康機能性を評価する。メタジェンによると、食物繊維の摂取が腸内環境に与える影響に関する研究は多いが、食物繊維をほとんど含まず野菜や果物の栄養素を中心としたジュースでの研究報告はあまりないという。メタジェンは「コールドプレスジュースに付加価値を与えられる可能性がある。ユネスコ食文化創造都市に拠点を置く2社が共同研究を行うことは地方創生だけでなく、健康維持に関する食の重要性にもつながる」としている。

規格外農作物を活用し、カクギンが販売を始めたコールドプレスジュース。メタジェンとの共同研究で健康機能性を評価し付加価値を探る
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