味わい事例集「諏訪の酒と、」の完成を喜ぶ諏訪地方の醸造9蔵の経営者ら
県酒造組合諏訪支部(林新一郎支部長)は、長野県諏訪地方の酒蔵全9社の酒と、それぞれに合う料理を写真と文で紹介する味わい事例集「諏訪の酒と、」を制作し、配布を始めた。「9蔵が心を一つにして実現できたプロジェクト。家庭でも飲食店でも活用してもらえたら」(林支部長)と諏訪の酒の魅力再発見に期待。今月23日には同本の料理を監修した長野ホテル犀北館で、掲載の酒と料理を味わうイベントも開く。
国税庁が日本産酒類の販路と消費拡大に向けて全国から公募したイベント推進事業に採択されて取り組んだ。酒の味を磨いてうまさの追求に専心した従来の勝負から一歩視野を広げ、料理との”相性を利く”面白さを提案。飲食店での提供のヒントになったり、新型コロナウイルス感染拡大を機に定着した「家飲み」での楽しみにつなげたりしてもらうほか、英文併記で、日本酒人気が高まる海外での売り込みにも活用する。
本はA5判のハードカバーで63ページ。各蔵の個性が光る計約30銘柄について、国内外で活躍するソムリエが一品ずつ味わいどころを解説して合う料理や食材を提案。犀北館の水上正憲料理長が調理を手掛けた。器にもこだわり、酒蔵からも積極提案して完成させたという。
ソムリエの一人、岩井穂純さん=下諏訪町=は利き酒と料理選びにあたり、▽香りの立ち方▽料理との相性を決める酸味▽時間や温度による香り、味の変化│に特に注目し「諏訪の酒は香りが豊かで多様な料理、油分の多い料理にも合う幅の広さが伝えられたら」とした。各蔵では「蔵人にとっても新たな見方が得られた」(髙天酒造)、「世界に発信したい」(酒ぬのや本金酒造)などと意気込みを新たにしている。
16日に東京銀座でもマスコミ向けに発表、23日開催のイベント「諏訪の夕べ」は午後7時からで、チケット(1人1万円)を販売中。イベントのもようをインターネットでも配信するほか、来月初め頃には、実際の料理と酒のセットを販売する計画もある。
本に関する問い合わせは各蔵、イベントについては舞姫(電話0266・52・0078)へ。
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