クマとの共存を 信州ツキノワグマ研究会 小学校中心に学習を展開

今年8月に完成した紙芝居「信州版森の子クマの子」。伊那市西箕輪小学校で初めて披露された
NPO法人信州ツキノワグマ研究会は、長野県内全域に生息し、身近になりつつあるツキノワグマを正しく知ることで被害を減らし、クマとの共存を図ろう-と子ども向けの冊子や紙芝居を制作し、中南信の小学校を中心に学習を繰り広げている。6日には、伊那市伊那図書館でイベント「クマを知ろう」を開く。図書館でのイベントは初めてで、クマの毛皮や頭骨、フンなどを見て生態を知り、遭遇しないよう対処法を学ぶ。
■生活圏重なり目撃数が増加
近年、人の生活に密着していた里山の利用が減り、森林化が進んだことでクマの生息域と人の生活圏が重なるようになり、クマの目撃数が増加。2020年11月に伊那市西箕輪で、今年8月には南箕輪村でそれぞれ70代女性が自宅付近でクマに襲われ、人里での事故が発生した。同研究会によると、県内での人身事故は毎年8人前後で、被害者が歩行中やクマとの出合い頭に突然襲われたケースが多い。だが、クマを駆除しても被害はなくならないという。
信州大学山岳科学研究拠点の助教で同研究会理事の瀧井暁子さんは「クマは本来、臆病な性格で、積極的に人を襲うことはない。安全に暮らすために、人がクマとばったり会わないよう、正しい知識を持つことが大切」と話す。
■生態や対処法を冊子や紙芝居に
今年3月、前年に制作した「信州版ツキノワグマハンドブック」を基にして「こども版信州ツキノワグマハンドブック」を発行。季節によって行動範囲や食べ物を変えるクマの生態をはじめ、クマを臭いで引き寄せる生ゴミや農作物の管理、クマとの遭遇事故を防ぐ方法、襲われた時の対処法などを記した。1日現在で県内の小学校を中心に約1万2000部を配布した。
8月には、園児にも親しんでもらえるよう、上伊那地方に生息するクマの親子をモデルとした紙芝居「信州版森の子クマの子」を制作。クマの生態を物語にまとめ、森にクマ以外にも多様な動物が暮らし、自然の豊かさを改めて感じさせる内容となっている。
岸元良輔会長は「子どもたちが引きつけられる良い教材となっている。必要以上に恐れることはなく、子どものうちから正しい知識を持ってほしい」と話す。
■伊那図書館で6日イベント
イベントでは午前11時から、研究会メンバーを講師に講演や紙芝居の読み聞かせを行う。3日から6日まで毛皮や骨、紙芝居原画、パネルなどを展示している。参加無料。事前申し込みは不要だが、人数制限を行う場合がある。問い合わせは同館(電話0265・73・2222)へ。
同研究会は、冊子の配布や紙芝居の貸し出しを行っている。問い合わせは研究会(メールアドレスkumaken_shinshu@yahoo.co.jp)へ。
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