県立高再編に卒業生ら困惑と反対 宇部西めぐる地域説明会【宇部】

2024年度に宇部西高の生徒募集を停止する方針を示した県教育委員会は27日、宇部市の福祉会館で地域説明会を開いた。正式に決まれば25年度末に閉校となることに困惑する卒業生ら約80人が出席。性急な進め方や、生徒数しか見ていない再編の在り方に反対する声を上げた。
県立高校再編整備計画(前期実施計画、22~26年度)の素案の中で公表。同校は現在、2年生が3学級、1年生が2学級。望ましい学級規模である1学年4~8学級(1学級当たり原則40人)以下で、再編整備の対象となった。立地条件や教育機能の観点から近隣高との統合が難しいとし、県教委は募集停止の方向性を示した。
県教委高校教育課の林勝章教育調整監は「今後の急激な生徒減少を見込んだ対応。宇部西に設置している総合学科は、ある程度の学校規模が必要だが、生徒数の減少で選択科目の開設が難しくなっている。志願者も減っている」と判断理由を説明。今後について「現在、パブリックコメント(意見公募)を行っており、素案の年度内策定を目指して進める」と話した。
参加した人からは「統合も分校化もなく、いきなり募集停止は暴挙」「園芸や造園、福祉など、市内で最も特色ある教育活動を行っていると言える宇部西をつぶすのは、特色ある学校づくりを県立高校将来構想に掲げていることに対して矛盾している」などの意見が出た。
また「農業教育を軽んじている」「子どもたちの将来の選択肢を狭めることになる」「地域から母校が無くなり、西高祭や七草出荷などの風物詩も無くなるのは寂しい」などの声もあった。
同校同窓会の岡本清副会長は「多くの卒業生が県内に就職し、地域貢献している学校。これだけの反対意見があるのだから、白紙に戻して考え直してほしい」と訴えた。
県教委は、素案に対する県民意見を11月10日まで募集している。
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