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記憶つなぎ、防災強化 奄美豪雨から12年 奄美市

奄美豪雨の犠牲者に黙とうをささげる鹿児島県奄美市住用総合支所の職員ら=20日午後2時ごろ、同市住用町

 2010年10月の奄美豪雨から12年を迎えた20日、高齢者2人が亡くなった鹿児島県奄美市では名瀬、住用、笠利の3カ所で当時の様子などを伝えるパネル展が始まった。午後2時には防災行政無線でサイレンを鳴らして犠牲者を悼み、防災意識の強化を誓った。

 奄美豪雨は、奄美市住用町で昼ごろの時間雨量が2時間連続で100ミリを超えるなど「100年に1度」と表現される記録的な大雨を観測し、家屋浸水や土砂災害が相次いだ。島内で住家453棟が全半壊、967棟が浸水するなど住家被害は1432棟に上り、龍郷町の1人を含め高齢者3人が犠牲になった。

 奄美市は20日、午後2時から市内全域でサイレンを鳴らした。市住用総合支所では犠牲者が出たグループホームの方向に向かい約1分間、職員が黙とうをささげた。

 災害発生時、同支所で勤務中だった久保田貴美人地域総務課長補佐は、「当日は職員が周辺住家を訪ねて避難の呼び掛けを行った。昼ごろに1階部分が浸水すると身動きが取れなくなり、住民の避難状況が気掛かりだった」と振り返った。

 奄美市では豪雨災害を教訓として、住用地区の橋の架け替えや排水機場整備、市内各集落での自主防災組織結成、ハザードマップを活用した啓発活動など、県や住民と協力した防災環境の強化が進んでいる。

市内3カ所で始まった奄美豪雨パネル展=20日、同市住用町の黒潮の森マングローブパーク

 住民らの記憶を風化させず、防災を考える機会にしてもらおうと、奄美市主催のパネル展も20日から始まった。屋根近くまで浸水した住居や濁流が流れ込む住宅地など当時の様子を伝える生々しい記録写真のほか、官民一体となった災害対応、防災に対する取り組みについて16枚のパネルで紹介している。

 熊本県から観光でマングローブパークを訪れていた40代の女性は「熊本でも2020年7月に豪雨災害があったので人ごとではない。きれいな景色を見ていると忘れそうになるが、日ごろの備えが大切だと改めて感じた」と話していた。

 展示場所は▽名瀬地区・市役所3階ホール▽住用地区・黒潮の森マングローブパーク▽笠利地区・笠利総合支所1階ロビー。期間は27日まで。

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