全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

長野日報社

神仏習合の象徴「懸仏」 長野県茅野市の惣持院で再発見、公開

惣持院で再発見された神宮寺由来では唯一とみられる懸仏(右)と備前住職

 長野県茅野市塚原の惣持院(備前宥寛住職)で、江戸時代まで諏訪神社(現・諏訪大社)とともにあった神宮寺に由来する懸仏が再発見された。背面に下社神宮寺由来であることを明確に示す墨書があった。神宮寺由来の仏像の調査、公開に取り組む「諏訪神仏プロジェクト」の実行委員会によると、懸仏は神社の拝所に据えられる鏡から仏が現れる様子を表し、神と仏を同一視する信仰「神仏習合」の象徴的な存在。「諏訪の神宮寺由来とみられる懸仏としては唯一、現存するもの」としている。

■プロジェクト機に寺院調査

 神宮寺由来の仏像を所蔵する社寺などが一斉公開(11月27日まで)する企画に合わせ、「下社由来の懸仏がある」という伝聞を頼りに寺院内を調べていた備前住職(60)が今月3日、本堂脇の部屋に安置していた「開かずの厨子」と呼ばれる厨子を開けて見つけた。備前住職の父親で2019年に病で急死した宥純先代住職が特に大切にしていた厨子だったそうで、これまで開けることはなかったという。同実行委の石埜三千穂企画局長(58)=下諏訪町=が今年9月、同寺の懸仏について郷土史家が調べた報告書のコピーを再確認し、備前住職に探してもらっていた。

 懸仏は木彫の十一面観世音菩薩坐像。直径は約30センチで盤面と盤面と同じ木を使って彫り出している。慶長10(1605)年との記載があり、江戸時代初期の作品とされる。両手先は欠損している。

 背面には「下宮御本地拾壱面観世音菩薩」とあり、下社神宮寺由来は確かといえそうだが、下社本地仏は千手観音とされ、照光寺(岡谷市)に千手観音菩薩立像が安置されている(公開中)。下社春宮本地仏と伝わる薬師如来像は、慈雲寺(下諏訪町)門前石段脇の修験道場「敬愛社宝光院」が引き取った(現在は諏訪湖博物館で公開準備中)。いずれも懸仏の裏面に書かれた「下宮御本地」と食い違うことから石埜局長は「新たな謎と課題を突き付けられた」と語る。同実行委顧問で仏教美術が専門の織田顕行・飯田市美術博物館学芸員が調査を行い、今後詳細を明らかにする。

■タイミングは「何かのご縁」

 一斉公開に合わせたかのようなタイミングでの今回の再発見。備前住職は「一斉公開プロジェクトがきっかけで見つかったのは何かのご縁であり、偶然ではなく必然だったように感じる。父の思いが働いたのかもしれない。きっと父も喜んでくれていると思う」と話していた。  同実行委は今後、市教育委員会にも報告する。

関連記事

長野日報社

山岳観光シーズン到来 中央アルプス千畳敷で開山式

中央アルプスに山岳観光のシーズン到来を告げる開山式(駒ケ根観光協会主催)が19日、中ア千畳敷(標高2612メートル)の駒ケ岳神社前であった。青空の下で神事を行い、関係者ら約70人が参加。登山シ...

宇部日報社

市長賞に花園自治会、春の花壇コンクール、特別賞や最優秀賞決まる【宇部】

 宇部市春の花壇コンクールの受賞団体が決まり、最高賞の市長賞には東岐波の国道190号沿いの花壇を彩った花園自治会(伊藤昌洋会長)が輝いた。市、市ガーデンシティ緑化運動推進委員会(会長・篠﨑圭二市...

紀伊民報社

南高梅が不作 平年の3割弱 梅の着果調査

 JAや日高振興局などでつくる「日高果樹技術者協議会」は19日、和歌山県の御坊・日高の4市町で実施した本年産南高梅の着果調査結果を発表した。主産地であるみなべ町と印南町の着果数は、過去10年平均...

苫小牧市ロゴマーク制定記念 22日に切手シート発売

日本郵便北海道支社は22日から、苫小牧市のロゴマーク制定を記念したオリジナルフレーム切手の販売を始める。84円切手10枚から成るシートで1枚は市のロゴマーク、残り9枚はとまチョップが樽前山山頂に登...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク