9本柱高倉、12年ぶりふき替え 知名町、技術継承へ記録保存も
12年ぶりの全面ふき替え作業が始まった知名町住吉の9本柱高倉=14日、鹿児島県知名町
鹿児島県知名町住吉にある高倉のふき替え作業が14日、始まった。12年ぶりの全面ふき替えで、改めて全字民を対象とした保存会を発足。経験者の助言を得ながら作業を進めている。1カ月内には完成予定で、技術継承のため、作業過程の記録、保存も行っている。
高倉は住吉の民家から大山の自然林養村野営場へ移築されていたが、2009年、住吉暗川の整備に合わせて暗川隣に再移築された。島内で9本柱の高倉は珍しく、町の文化財に指定されている。ふき替え費用は町の補助事業を活用した。
再移築後、部分的な補修は行っていたが、屋根の全面ふき替えは初めて。数年前から雨漏りがあり、今年7月から材料のカヤを刈って乾燥させるなどふき替えの準備を進めてきた。
保存会の会長も兼ねる奥村吉夫住吉字区長(67)は「保存会は全字民約330人で構成。高倉は住吉のシンボルであり、高倉を中心に字づくりができればという思いもある。字民一人一人ができることで作業に関わってくれれば、高倉への愛着が湧くのでは」と話した。
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