静内の「馬」から手紙 苫小牧の保育園 昨夏飛ばした風船牧場に
苫小牧市拓勇西町の拓勇おひさま保育園(遠藤明代園長)に8月末、新ひだか町静内の牧場で暮らす「馬」から手紙が届いた。差出人は昨夏、ヒマワリの種をくくり付け、同園から飛ばした風船を偶然発見した静内の牧場主。ヒマワリの種が育ち、花を咲かせていることを伝える写真も添えられ、園児も保育士も喜びに包まれている。

玄関ホールに飾られた手紙を見詰める園児
「たくゆうおひさまほいくえんのみなさんはじめまして!こんにちは!わたしはサラブレッドというしゅるいのうまです」
こんな書き出しで始まる手紙には「ぼくじょうのおじさん」が種が付いた風船を見つけ、ワクワクしながら植えてみたところ、ヒマワリの花が「げんきいっぱいにさいた」とつづられている。
たてがみをなびかせて駆ける馬や、牧場の柵からひょっこり顔をのぞかせている馬、小さいながら元気に咲くヒマワリの写真も添えられていた。手紙を受け取った遠藤園長は「最初はどうして馬からお便りが来たのか分からず、不思議な気持ちだった」と言う。
何度も読み返すうち、昨年の年長児が「お泊まり会」の際に園庭から飛ばした風船を受け取った人からの手紙だと気付いた。遠藤園長は「受け取ったという手紙だけでもありがたいのに種を植え、咲かせてくれて本当にうれしい。保育士たちも大きな力を与えられたような気持ちになった」と語る。
手紙が届いたことは園児たちに知らせたほか、送り迎えの際に保護者にも見てもらおうと玄関ホールに掲示。昨年、風船を飛ばした現在小学1年生の卒園児の保護者にも連絡し、次々と笑顔の輪が広がっている。
ヒマワリの花を咲かせた「ぼくじょうのおじさん」こと、競走馬を生産する木村秀則牧場の牧場主木村秀則さん(56)によると、種は昨年の冬、牧草ロールをほどいている時に従業員が見つけた。一緒にあったメッセージカードから、苫小牧の保育園児が風船に取り付けて飛ばしたものだと分かり「どうやって静内まで来たかは分からないけど、こんなこともあるんだな」と感動したという。
手紙は「苫小牧から飛ばした種がちゃんと誰かに届いて、花が咲いたよ」と子どもたちに伝えてあげたい―と、妻のひろ美さん(53)が作成。木村さんの元にはその後、同園から感謝の手紙が届いた。木村さんは「何かのご縁で生まれたつながりにこちらも感謝している」と述べた。
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