アラセツ前夜に「ツカリ」 膳供え、祖先に祈り 龍郷町秋名・幾里

縁側に膳を供えコウソガナシを祭る「ツカリ」=30日、鹿児島県龍郷町秋名
旧暦8月最初の丙(ひのえ)の日に当たる31日はアラセツ(新節)の祭り日。鹿児島県龍郷町秋名・幾里では国の重要無形民俗文化財の秋名アラセツ行事が行われる。前日の30日は前夜祭に当たる「ツカリ」があり、地域住民が各家庭でごちそうを供えてコウソガナシ(先祖の神)を祭った。
秋名の作田ヘイ子さん(90)は、今年も赤飯や野菜の煮物、揚げた魚など心を込めた膳を用意し、家内安全を願って先祖に手を合わせた。芋と米を原料にした発酵飲料「ミキ」や焼酎、お茶、季節の果物のほか「(悪いものを)道迷いさせるため」に、らせん状に巻いたニラも供えられた。
秋名アラセツ行事は五穀豊穣(ほうじょう)を願う稲作儀礼。昔はツカリの晩に住民が家々を一軒ずつ訪問して踊り、夜が明けるのを待ったという。高齢化などでツカリにごちそうを供える家は年々減りつつある。
作田さんは「23歳でお嫁に来て義理の母に教わったことを続けている。子や孫に無理にやりなさいとは言わないが、自分が元気なうちは続けていきたい」と話した。
関連記事
「持ち帰らないで」 外来生物オオキンケイギク
特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県紀南地方の河川敷や道路沿いなどで鮮やかな黄色の花を咲かせている。取り扱いには注意が必要で、栽培や運搬、販売、野外に放つことなどが外来生物法で...
羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”...
ホワイトアスパラ無償提供 音更・竹中農場が帯広の仏料理店へ 恩人に感謝
音更町の竹中農場(竹中章代表)は、農場で収穫するホワイトアスパラガスを、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」(帯広市西8南14、奥村彰教オーナーシェフ)に無償提供、同店で23日からホワイトア...
「日本一学生が活躍するまちづくり」始動 若者の視点で施策吟味【宇部】
宇部市は21日、学生と一緒に市の事業を企画・提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第1回を山口大工学部の「志イノベーション道場」で開催した。公募に応じた県内の学生43人が...