日本土木史の父・渡邊嘉一 長野県辰野の生家跡に記念碑完成

生家跡に建立された渡邊嘉一の業績をたたえる記念碑。親族らが参加して除幕した
国内外で数々の輝かしい功績を残し、日本土木史の父と呼ばれる長野県辰野町出身の渡邊嘉一(1858~1932年)を顕彰する記念碑が、同町平出上町の生家跡に完成し26日、現地で除幕式が行われた。町や地元関係者、親族ら約30人が出席し、記念碑の完成を喜び、実業家として、土木技術者としての嘉一の業績を改めて振り返った。
嘉一は、1883年に工部大学校(現東京大学工学部)を首席で卒業後、鉄道局に勤務。翌年官職を辞し、英国グラスゴー大学に留学。88年に帰国し、国内のさまざまな鉄道会社などで技術職、役員として勤務。東京石川島造船所(現IHI)など多くの会社で社長を歴任した。
英国時代は工務所の技師として勤務し、カンチレバー式フォース鉄道橋の建築工事に監督として携わった。この時撮影された構造原理を実演した嘉一らの写真は、スコットランド銀行が2007年に発行した20ポンド紙幣に使われている。
嘉一の生家があった土地は、嘉一の兄のひ孫に当たる宇治橋貞幸さん(75)=東京工業大学名誉教授、東京都=が管理していたが、県道下諏訪辰野線の拡幅改良工事に伴う代替え用地として町に提供。用地提供に際し、嘉一の足跡を後世に残そうと、業績を記した記念碑を宇治橋さんが建立し、町に寄贈した。
式で武居保男辰野町長は「土木技師として優れた功績を残され、辰野に住むものとして誇らしい。郷土の偉人の功績を後世に伝えられるよう努めたい」とあいさつ。
除幕式には東京や横浜、名古屋などから、嘉一の子孫約10人も参列。宇治橋さんは「辰野町は子どものころ夏休みを過ごした愛着のある地。嘉一の生家のあった土地を手放すにあたり、嘉一の功績を形に残したいと記念碑を建立した。嘉一の功績が後世に語り継がれることを望んでいる」と話していた。
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