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生前に財産信託 親亡き後の障害者支援 苫小牧発 共同管理の仕組み構築 

障害のある子どもの親などが財産を共同管理し、親の死後、託された財産で子どもの生活を手助けする全国規模の仕組みづくりが、苫小牧発で進んでいる。発案者は終活やみとりの専門企業「アシストライフ」(表町)の佐藤美幸代表。信託の制度を活用し、親亡き後もその人らしい生活が継続できるよう支援する。同社は30日午後2時から、同社事務所で説明会を開く。

説明会への参加を呼び掛ける佐藤さん

 仕組みを運用するのは、障害を持つ子を育てる親の会と、障害者就労施設や療育に携わる専門家でつくる非営利の一般社団法人「ソエルテ」。財産の信託を希望する親の会会員が同法人と個別に契約し、死後は契約内容に従って残された子どもに財産を渡す―というものだ。

 大きな特徴は、託された財産を親の会と法人が共同管理する点。親や福祉の専門家が複数で管理・監視することで、不正が起きにくい組織になっている。契約や金銭の引き出しなど実務は専門業者が行う。

 「私が死んだら、この子はどうやって生きていけばいいのか」―。佐藤さんは高齢者の終活を支援する中で、障害がある子どもの親の切実な声を何度も聞いてきた。障害者の財産管理を支援する成年後見制度はあっても、月に数万円の手数料が必要な場合もあり、「経済的負担が大きく、利用をためらう人も多かった」という。

 今年2月、オンラインで開催された異業種交流会で、愛知県在住の障害を持つ子の親と知り合い、生前にできる準備について模索。障害者福祉に携わる全国の仲間と共に、信託制度を活用した支援の仕組みを考えた。

 ベースとなる親の会は4月、全国各地の約20人で発足。まず愛知県で「ソエルテ中部」を立ち上げ、説明会を開くなどして会員を集めてきた。本道でも6月、旭川市を拠点に「ソエルテ北海道」を設立。9月8、9日に札幌市で説明会を開き、活動を本格化させる。

 佐藤さんは「親亡き後の子どもを支える制度は信託に限らず、さまざまなものがあるが、自分の家庭に何が合っているかを一人で考えるのは大変」と指摘。「まずは同じ立場の人とつながり合い、将来の備えについて学ぶ場として、親の会に気軽に入会してもらえれば」と話す。

 佐藤さんはアシストライフにソエルテの統括事務局を置き、苫小牧でも取り組みを広げたい考え。30日午後2時からの説明会は参加無料。同社事務所は表町1の3の4。問い合わせ、申し込みはソエルテのウェブページで。

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