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海鳥保全でシンポ 石垣初開催、専門家ら意見 アジサシ類回復、人の理解必要

石垣島で初めての開催となった海鳥保全シンポジウム=19日夜、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター

 石垣島で初めてとなる海鳥保全シンポジウムin石垣島(環境省石垣自然保護官事務所主催)が19日、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターとオンラインで開催され、約80人が参加。この20年で減少の一途をたどっているとみられる石垣島など南西諸島沿岸のアジサシ類のこれからの保全や国指定鳥獣保護区に指定されている仲の神島の最新の調査結果などが報告された。

 シンポジウムで講師を務めたのは国指定屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊氏と国指定仲の神島鳥獣保護区管理員の水谷晃氏。

 渡久地氏は、多くのエリグロアジサシやベニアジサシが繁殖する屋我地周辺の保全について解説。

 これまで夏の繁殖期に釣り人などがアジサシが子育て中の岩礁などに近づいたり、上陸したりすることで巣が放棄され繁殖に失敗する事例があったという。また、放置されたテグスに親鳥がからまり、そのヒナも死んでしまった事例なども報告された。

アジサシの繁殖地の岩礁に登る釣り人=名護市屋我地(渡久地豊氏提供)

 人が近寄ることで条件のよい岩礁での繁殖が確認されなくなったことから、アジサシたちの繁殖地を守ろうと岩礁へのロープや看板設置をしたほか、観察会なども頻繁に開催し、地元の理解を得てきたという。

 渡久地氏は「公民館などでワークショップなども実施した。地元の人たちに鳥のことを分かってもらうことが大切。看板設置や新聞報道などで上陸も少なくなっている」と話した。

 水谷氏は西表島の南西約15㌔に位置する仲の神島のこれまでの保全活動と最新の調査結果を報告。

 同島では卵の乱獲などで島を代表するセグロアジサシの数が激減したが、その後、1960年代から保護の措置が取られ徐々に回復。80年代には上陸が禁止され、80年間に及ぶ人的影響が終わった。

 40年間のセグロアジサシとカツオドリのモニタリングの記録では、4000羽ほどだったセグロアジサシは8000~1万羽と倍増。カツオドリも200巣程度だったものが右肩上がりで増え続け、6倍の1200巣にまで増加した。

 水谷氏は「船の上からダイビングや釣りの人が島を見てくれるようになり、監視が行き届き島のいい状態が守られてきた。順調に良くなり、まだまだ回復は止まっていない」と説明した。

 一方で、沿岸で繁殖するエリグロアジサシやベニアジサシの繁殖は年々悪化し、この20年間の八重山はひどくなる一方だという。

立ち入り域禁止の看板やロープを設置する人たち=名護市屋我地(渡久地豊氏提供)

 今後の保全についての意見交換で水谷氏は「レジャー客など知らないがゆえに登ってしまっている。カヌー事業者や釣り業者が仲の神島のケースのように監視役になってくれると保全の突破口の一つになるのではないか」、渡久地氏は「美しい島の風景を彩る鳥の美しさを知ってもらうために観察会をしたり、繁殖期の2カ月間だけは岩礁を立ち入り禁止にするなど持っていけたら」などと提案した。

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