交流事業で平和の尊さ学ぶ 「対馬丸」事件の歴史を共有 宇検村

船越海岸の慰霊碑に黙とうをささげる児童ら=20日、鹿児島県宇検村
太平洋戦争中、沖縄からの疎開船「対馬丸」が米潜水艦に攻撃され、多くの犠牲者が出た事件を学ぶ平和学習交流事業が20日、鹿児島県宇検村で行われた。同村、大和村、瀬戸内町の児童生徒18人と、沖縄県の小中学生・保護者ら24人が参加。遺体や生存者が流れ着いた同村の船越(フノシ)海岸で慰霊碑に手を合わせ、平和の尊さをかみしめた。
対馬丸は1944(昭和19)年8月21日、学童や一般疎開者など1788人を乗せて那覇港を出港。22日、鹿児島県悪石島沖で米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受けて沈没した。判明しているだけで学童約800人を含む、1400人以上が犠牲になったとされている。
宇検村、大和村、瀬戸内町には被害に遭った人々が漂着した。多くの遺体が流れ着いた船越海岸には、地元住民らの要望により2017年に慰霊碑が建てられ、これをきっかけに翌年から同事業が始まった。
参加者らは船越海岸で当時救助や遺体回収に当たった住民らの証言を音読。風や波の音に耳をすませながら78年前の出来事に思いをはせ、戦争の悲惨さを体感した。慰霊碑には代表児童らが献花し、犠牲になった人々の冥福を祈り黙とうをささげた。

戦争が起こる過程について意見を共有する沖縄、奄美の児童生徒ら=20日、鹿児島県宇検村湯湾のやけうちの里
後半は、戦争・平和について話し合うワークショップなどがあり、児童生徒らは平和な未来のためにできることとして「一人一人の命を尊重する」「人との交流を大切に」など、それぞれの考えを発表した。
那覇市の中学3年生は「当時はかん口令があって、(事件について)話せなかったと知り驚いた。奄美の人たちが助けてくれたことに感謝したい」と話した。
主催した沖縄県子ども生活福祉部の島津典子課長(52)は、事件当時13歳だった伯父が対馬丸の乗船者。同事業には「運命を感じる」と話し、「犠牲になった伯父を奄美で慰霊することができて良かった。この歴史を子どもたちに伝えていかなくては」と力を込めた。
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