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長野日報社

長野県岡谷市川岸東の土石流災害1年 再発防止へ恒久対策

 昨年8月に長野県岡谷市川岸東で起きた豪雨災害は、15日で発生から1年を迎える。死傷者が出た土石流災害。同地区の現場では県による砂防えん堤の設置といったハード面の整備が進み、市は避難情報の発令判断基準の見直しなどソフト面の対策に取り組んできた。大きな災害を繰り返さないよう、再発防止のための恒久対策が行われている。

 災害は8月15日の午前5時15分に発生。住宅の裏山から土石流が流れ込み、母子3人が犠牲になった。国土交通省の専門家や県によると、土石流の起点は住宅から約100メートル上部の斜面。幅10メートル、長さ20メートル、深さ4メートルにわたって崩れ、立ち木を巻き込んで中央道下のボックス(歩行者用通路)を抜けて家に直撃した。土砂流出量は約600立法メートル。専門家は、山が大量の水を含んで飽和して斜面が崩れた-と推測。すぐ南側の斜面でも同様の土石流が起きた。

 避難指示が出されたのは土石流発生後の午前6時。市は夜間や降雨時に避難する危険性を言及し、発令判断の難しさを指摘した。一方で、災害後に市が住民を対象に行った避難情報と避難行動に関するアンケート調査では、避難情報を発令した市内15区の約4割の世帯が発令を知らなかったと回答。災害対応の見直しを進めてきた市は今年3月、夜間や未明であっても基準に該当する状況にある場合は「指示」を発令するとした新たな発令判断基準を定めた。

 土石流災害の現場となった鮎沢区の鮎澤要一区長(66)は「非常に悲しい思い。まずは亡くなられた方のご冥福を祈りたい」と哀悼の言葉を述べ、「市と区が一層連携を深め、安全安心な地域づくりに取り組まなければならない」と、地域の 防災力向上に努めた1年間を振り返った。

 今井竜五市長は「自らの身は自らで守る自助と、隣近所などで声掛けをする互助が大切」と繰り返し、「災害から得た経験や教訓を次の世代に伝えなければならない」と強調する。いつどこで起きるか分からない自然災害。防災の基本となる「自分の命は自分で守る」を地域、住民、行政が共有し、日ごろから備える必要がある。

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