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長野日報社

都市部の学生が未来型「結」追求 茅野市のキク栽培農家が協力

キクの出荷に向けた作業に取り組む石黒さん(中)

慶応大学と東京大学大学院の学生グループが今年度、長野県茅野市のキク農家鈴木紘平さん(43)=同市泉野=の協力の下、農業を通じて都市部と地方を結ぶ新たな交流の在り方を研究している。農村社会にみられる慣行で繁忙期の農作業を地縁血縁の農家同士で助け合う「結」の文化に着目し、デジタル技術などを活用してさまざまな人々が居住地の枠を超えて支え合う未来型「結」を追究する試みだ。

学生たちは4月から毎月1回、鈴木さん宅や畑を訪れてキクの栽培に関わってきた。苗作りから始まり、畑への植え付け、摘花、農地の管理などを行い、8月は収穫と出荷作業を共同で行っている。農作業や農村生活で得られる心身のリフレッシュ効果や都市部の若者と農村が持続可能な形で交流を続け、助け合える仕組みなどについて検証している。

受け入れ側の鈴木さんにとっても都会育ちで農業未経験の学生たちにより分かりやすく効率的に作業内容を伝える経験は「刺激になる」そうで、若者たちに結の精神で作業に取り組んでもらう際の伝え方について試行錯誤を重ねている。

茅野市に限らず、全国各地で農業の担い手不足が課題となり、耕作放棄地の拡大を招いている。爽やかな風や土の匂い、非日常の体験を求める都市部の若者の自発的な行動を柔軟に受け入れることで担い手不足の解消につながる可能性もある。学生グループと鈴木さんは茅野市の滞在時以外の時もインターネットを通じて情報をやり取りしており、信頼関係の醸成を図っている。

鈴木さんと交流する学生グループをまとめる慶応大学総合政策学部2年の石黒優渚さん(19)=横浜市=は「都市部では経験できないものが茅野市にはたくさんある。自分たちが一から育て、成長を見守ってきたキクが誰かの手に届くことに感動を覚える」と話した。公立諏訪東京理科大学(茅野市)の学生との交流、共同で行う農作業の取り組みも始まったといい、「未来型結とはどのようなものか。フィールドワークを重ねながら考えを深めていきたい」と意気込んでいた。

茅野市は6月に公表したDX(デジタルトランスフォーメーション)基本構想で「未来型ゆい」によるつながりの拡大でまちの力を高める―とする基本方針を示した。鈴木さんは「学生たちが取り組んでいる『未来型結』と同じ言葉を茅野市が目指すまちの姿として表現している点も面白さを感じる」と語った。

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