「式年造営」の完遂を祝う

「本殿式年遷座祭」の終了を受け開かれた奉祝記念大祭=29日
山形、秋田県境にそびえる鳥海山(2236メートル)の頂上に鎮座する鳥海山大物忌神社(高橋廣晃宮司)の「本殿式年遷座祭」が無事に終了したことを受け、奉祝記念大祭が29日まで3日間、遊佐町吹浦の同神社吹浦口之宮などで行われ、本殿などを造り替える「式年造営」の完遂を祝い合った。
同神社は、伊勢神宮(三重県伊勢市)に倣って20年ごとに新たな本殿を造営し、ご神体を鎮めている。記録などから江戸時代初期には行われており、前回は1997年7月。
16回目の今回は2014年6月に「本殿式年造営奉賛会」(会長・新田嘉一平田牧場グループ会長)を組織し、地元だけでなく広く全国各地から寄付を募るなどしてきた。13年の伊勢神宮式年遷宮で解体されたヒノキの部材を使い、新たな本殿が完成し、昨年9月にヘリコプターで頂上まで運ばれた。今年7月8日の日没後、高橋宮司がご神体を本殿に納めた。
29日午前に同神社吹浦口之宮で行われた「御遷座奉祝祭」には奉賛会員、氏子らが参列。高橋宮司による祝詞奏上、完遂を祝う舞の奉納などの後、高橋宮司はじめ5人が神前に玉串をささげた。
引き続き同神社斎館で直会が行われ、奉賛会の新田会長のあいさつを茨木高芳副会長が代読、「前回に引き続き奉賛会長を引き受けて足かけ4年。吹浦の境内で幼少期を遊び育った者として、共に鳥海山の恵みを頂いて暮らす私たちは、大神様の恵みに感謝しつつ、霊峰鳥海の信仰と文化を次の世代へと伝え、確かな継承とさらなる発展を願わずにはいられない。本事業の成功が、美しい自然環境と、私たちの精神文化を見つめ直す好機になれば」とした。高橋宮司は「今回の事業では数多くの皆さまの思いを拝聴した。引き続き地域の皆さまに敬愛されるように誠心誠意、職務に励んでいきたい」と述べた。
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