命つなぐ食について考察

「祈りの食文化」をテーマに鼎談を繰り広げた鶴岡致道大学の公開講座
「祈りの食文化」をテーマにした公開講座が28日、鶴岡市羽黒町手向のいでは文化記念館で開かれ、食や修験道に携わる地元関係者が命をつなぐ食について考え、祈りに通じる感謝の大切さなどについて話した。
庄内藩校致道館の自学自習の教育風土を現代に受け継ぐ鶴岡総合研究所が主催する本年度の「食といのち」を全体テーマとした鶴岡致道大学の第5講(全6講)として開催。この日は受講生と一般を合わせ約130人が聴講した。
山形大農学部の江頭宏昌教授をコーディネーターに、出羽三山神社「斎館」料理長の伊藤新吉さん、農家民宿・レストラン「知憩軒」おかみの長南光さん、山伏で宿坊「大聖坊」13代目の星野文紘さんの3人が鼎談(ていだん)。山伏の役割について星野さんは「神や仏と人をつないだり、自然や食、人と人、さらに地域とをつなぐ役目。人間の命をつなぐのが食であり、もとは人も自然だった」。修行する山伏の食だった精進料理について伊藤さんは「季節の恵みを頂き、食べ切れない分は塩漬けや天日干しに。そのままでは食べられないものも塩蔵して食べられるように工夫してきた。知恵があるから食べ物に変えることができた」と先人から口伝で受け継いできた料理を説明。
長南さんは「祖母や母が作ってくれた体が覚えている味しか作れないが、1日3回、365日食事することを考えると、今まで生きてこられたのは祈りと感謝しかない。食は命をつなぐための一つの大事な方法だと思う」と話した。
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