幕末の教育者、富永有隣と大楽源太郎の功績たどる特別パネル展 山口

展示を見る来館者(鋳銭司郷土館で)
山口市の鋳銭司郷土館(椙山由一館長)で、幕末に教育者として名をはせた富永有隣(1821~1900年)と大楽源太郎(1834~71年)の功績をたどる特別パネル展が開かれている。8月28日まで。 同館は鋳銭司出身の兵学者、大村益次郎(1825~69年)の資料を多く展示。益次郎ともつながりがあった2人を知ってもらおうと、ふるさと陶史楽会と十朋亭維新館の監修を受けて開いた。 有隣は吉敷郡陶村に生まれた。冤罪(えんざい)で萩の野山獄に幽閉されていた時、吉田松陰と出会い、出獄後は松下村塾で講師を務めた。その後は同郡秋穂二島村で「定基塾」を開き、尊王論を説いた。明治維新後の脱隊騒動で首謀者の一人として捕まり、収監されたが後に特赦により釈放。実の妹を頼って熊毛郡城南村(現田布施町)に移り住み、私塾を開設した。 萩生まれの源太郎は、久坂玄瑞、高杉晋作らと尊王攘夷運動を推し進めた後に吉敷郡台道村に「敬神堂」を創設した。維新後に起きた益次郎暗殺事件では、犯人のうちの3人が弟子だったことから疑いの目を向けられ、山口を脱走。潜伏先の久留米藩で暗殺された。 会場には2人の生い立ちや足跡をたどるパネル、墓所、記念碑などゆかりのある史跡の写真などを展示。訪れた人は激動の時代を駆け抜けた2人の雄姿や功績に思いをはせていた。 椙山館長は「鋳銭司の両隣の村に縁がある2人をテーマにした。日本の将来を考えて活動した2人を知るきっかけにしてもらえれば」と話している。
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