古文書から宇部の歴史を読み解く
内田さんと著書
古文書を読み解き古里の歴史をたどる「石炭都市 宇部市の起源」が、歴史研究者の内田鉄平さん(41)=山口県宇部市厚南中央1丁目=の書き下ろしで、宇部日報社から出版された。「石炭の活用で産業化した経緯を知ってもらいたい」と呼び掛ける。
内田さんは歴史学博士。宇部フロンティア大特命准教授、別府大文学部非常勤講師を務める。地域の歴史を調べるうち、石炭の歴史に関する研究は不可避だと判断。5年前に執筆に踏み切った。石炭採掘の研究は明治時代以降の近代産業史の中で取り上げるケースが多いが、江戸時代の長州藩の採掘の実態を分析し、地域産業にいかに影響を及ぼしたかを解明したかったという。
同書は「長州藩における石炭採掘と有帆村」「厚狭毛利家における石炭採掘」「幕末維新期における石炭市場の動向」「明治維新と石炭局の発足」「明治維新と宇部村での石炭採掘」「宇部共同義会への道」の6章で構成している。石炭産業で栄えた宇部市の原点を、江戸時代の長州藩の石炭採掘の実情から明治時代中期の宇部共同義会の設立まで、古文書を解読して紹介。それぞれの炭鉱に採掘の取り決めの実態を解明し、生々しい利権のやりとりなども史料からひもといている。
内田さんは「石炭事業と言えば、とかく渡辺祐策や福原芳山にスポットが当たるが、採掘の歴史を解説することで古里の歴史も知ってほしかった。江戸時代の石炭関連の記録がほとんど無くて、いろんな史料を解読し、点と点を結んで考察した」と話した。A5判、202ページ。定価2000円(税別)。宇部市、山口市、山陽小野田市の主要書店、宇部日報社で販売。問い合わせは同総務局(電話0836-31-4343)。
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