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紀伊民報社

高級魚シロアマダイの稚魚を放流

シロアマダイの稚魚を放流する漁業関係者(17日、和歌山県みなべ町沖合で)

 和歌山県水産試験場(和歌山県串本町)は17日、高級魚シロアマダイの稚魚(全長約7センチ)約1万匹を、串本町とみなべ町の近海に放流した。種苗生産の飼育方法を見直した結果、生存率が高まり、今回の放流につながった。武田崇史副主査研究員は「今後、全長15ミリ前後で大量死する原因の究明や雌の親魚の確保などの課題に取り組み、さらなる生存率の向上に挑む」と話している。

 試験場では、2018年度からシロアマダイの種苗生産の技術開発に取り組んでいる。当初は、4トン1基と1トン2基の水槽を使った。約3万5千粒の卵からふ化した稚魚にワムシやアルテミア、配合飼料などを与え、60日で約千匹が全長50ミリ以上に成長したが、生存率は2・9~4・2%にとどまった。
 昨年度からは、15トンの水槽1基を使用。約5万6千粒の卵を投入し、ふ化した稚魚に栄養強化剤のタウリンを添加したワムシを与えたり、成長に合わせて照明の明るさを変えたり、水の流れを変えたり、飼育方法を工夫した。
 この結果、78日で9810匹が50ミリを超えた。生存率は17・5%に向上、試験的に育てたものも合わせると、約1万2千匹の稚魚を確保できた。さらに工夫することで生存率は1・5倍ほどに伸ばせると期待している。
 生存率を下げる原因には、光への反応や遊泳力の弱さ、水質に対する敏感さなどが挙げられているが、全国的に研究が進んでいない魚種で、試行錯誤している。
 雌の親魚確保には主に、紀州日高漁協南部町支所所属の楠木健之さんと和歌山東漁協大島支所所属の寺町忠さんが協力している。水深30メートル以深から、はえ縄漁で釣り上げることから、水圧の変化を最小限に抑えるため、ゆっくりと引き上げてもらったり、釣り上げたらすぐに連絡してもらったりしている。さらに雄が多いという漁場は避けてもらっている。
 武田副主査研究員は「卵を確保するために雌の成魚を多く集めないといけない。雌雄の割合は2対8程度で圧倒的に雌が少ない。今後も漁業者に協力をお願いしたい」と話す。
 17日は両町の漁業者の協力でそれぞれ約5千匹の稚魚を放流した。みなべ町では沖合約1キロの水深25メートル前後の海域に放った。今後も、稚魚が確保できれば試験放流を続けたいという。

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