旧料亭金勇が「金勇フォトプラン」を商品化。本格的な和装写真を撮ることができる

　能代市柳町の旧料亭金勇は、館内外で本格的な和装写真を撮ることができるフォトプラン「金勇きものフォト」を商品化した。衣装の準備や着付け、ヘアメイクは県美容生活衛生同業組合能代支部（加藤妙子支部長）加盟の美容室、撮影は市内のフォトスタジオが担当し、利用者は手ぶらで訪れるだけで「特別な1日」を演出してもらえる。金勇の杉山靖広施設長は「結婚式の前撮り、成人式・年祝いの記念など、需要はあると考えている。市内事業所と連携し、新たな観光資源として売り出していきたい」と話している。

　杉山施設長によると、今回のフォトプランはもともと、天然秋田杉をふんだんに使用した国登録有形文化財の貴重な建物というロケーションを生かしたインバウンド（訪日外国人客）対応として温めていた企画。一方で金勇はかつて、市民にとって憧れの結婚式・披露宴会場だった歴史があり、インバウンドだけでなく幅広く利用を呼び掛けることができる取り組みであるほか、秋田市内のフォトスタジオが金勇で婚礼写真が撮れる商品を売り出しており、「場所貸しだけでなく、着付けも撮影も地元業者で完結させたい」との思いから先月、美容組合などの協力を得て商品化した。
　「晴れ着プラン」（振り袖5万3200円～、訪問着4万3200円～）と「婚礼プラン」（15万円～）の2種類を用意。利用者は、各美容室が所有する豊富な打掛け、振り袖、訪問着の中から好きな衣装を選び、あとは撮影日に金勇を訪れるだけ。美容師がヘアメイクと着付けを約2時間かけて行い、その後、市内のフォトスタジオが金勇の館内や天気のいい日は庭園などに出て約1時間半、たっぷり撮影してくれる。
　和装に似合う新日本髪や、生花、アートフラワーなどを使った髪飾りもオプションで選べる。写真（台紙付き、後日受け渡し）は婚礼プランが六つ切り2カット、晴れ着プランは同1カットが基本で、追加料金でカット数は増やせるほか、自身のスマートフォンやカメラでも撮影できる。
　本格的な展開に向け、今月12日にはPRリーフレット用の写真撮影が金勇で行われた。モデルに起用された市観光振興課の佐藤瞳さん（25）が真っ赤な振り袖姿で登場、カメラマンの要望に応えてポーズを取り、にこやかに撮影に臨んでいた。
　佐藤さんは「着物は重くて大変だったが、支度をしてくれる周りの皆さんが優しくてとても楽しかった。ぜひ皆さんにお勧めしたい企画」と話していた。
　金勇によると、すでに問い合わせがあり、7月には市内在住の女性が第1号で婚礼プランを利用する予定。杉山施設長は「金勇は市民にとって特別な場所だし、多くの人にすてきな思い出をつくってほしい。まずは夏の成人式に向けてPRしていきたい」、美容組合の加藤支部長は「コロナ禍で結婚式などが無くなっている中、金勇から声を掛けてもらってうれしい。成人式や年祝いが中止となり、着物を着れなかった人などにも利用してもらいたい」と語っていた。
　予約受け付けは撮影日の14日前までとし、料金は10日前までに振り込む。キャンセル料は当日100％、3日前から50％、7日前から30％発生する。申し込みは、金勇ホームページ内の専用フォームから。問い合わせは金勇（☎0185・55・3355）へ。