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奄美の魅力再認識し発信 「巡めぐる恵めぐる」の新元さん 島唄交え講話

島唄を交えて奄美の文化の魅力を伝える新元さん=14日、鹿児島県奄美市の奄美図書館

 鹿児島県立奄美図書館の生涯学習講座「あまみならでは学舎」の2022年度第1回講座が14日、奄美市名瀬の同図書館であった。島唄などの文化を伝える一般社団法人「巡めぐる恵めぐる」代表理事の新元一文さんが「古い知恵を学び、今の暮らしをアップデートしよう」を演題に講話。島唄を交えながら昔の暮らしや文化を振り返り、島でもできること、島だからできる楽しみを奄美の強みにして発信していこうと呼び掛けた。

 新元さんは奄美大島のシマ(集落)暮らしの面白さを音楽に乗せて伝えようと、1998年に島唄漫談バンド「サーモン&ガーリック」を結成し、幅広く活動してきた。昨年、奄美市役所を退職し「巡めぐる恵めぐる」を設立。「ムル(とても)フィール(感じる)ゼミナール」を開講し、便利な世の中になって失ってしまった自然から感じる力を取り戻そうと、地域の文化や楽しみ方を伝える活動をしている。

 講座では、民俗研究家で写真家の芳賀日出男さんが1957(昭和32)年に宇検村の人々の暮らしの様子などを撮影した写真や島唄の披露も交えて、昔の産業や生活、唄の背景にある文化などを紹介。南海日日新聞のコラムも引用し、ITの普及や新型コロナウイルス禍で豊かさの価値観が多様化している今こそ、唯一無二の島の魅力を再確認し、人口定着につなげるよう発信していこうと提唱した。 

 聴講した奄美高校の生徒は「島の文化が大好き。自分たち若い世代がいろいろな人たちから話を聞き、島の良い文化を受け継いでいけたらと思う」と話した。芳賀さんの写真に写っていた同村の川渕哲二さん(74)は「三味線と唄を交えた講話は説得力があった。子どもたちも島の良さや価値に誇りを持ってこれからの奄美を創っていってほしい」と話した。

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