架空請求詐欺、VRで被害体験 道警と苫高専が共同開発
道警サイバーセキュリティ対策本部と苫小牧工業高等専門学校が、インターネット絡みの架空請求詐欺被害を疑似体験できるVR(仮想現実)動画を共同開発した。2018年3月に締結した、サイバーセキュリティー分野での人材育成連携協定に基づく試み。14日、苫小牧市内で開催された防犯研修会で初披露された。道警は今後、札幌圏で行う防犯活動に役立てていく。
VR動画で詐欺被害ヘの対策を学ぶ植苗自警団の団員ら
VR動画は専用ゴーグルを装着した人の目の前に、自室でパソコンを使用している状況を再現する。パソコン画面が突然、「ウイルスを検知しました」という警告文に覆われ、電話連絡も要求。「パソコンがウイルスに感染している」などと言葉巧みに不安をあおってウイルス除去名目で、金銭をだまし取ろうとする架空請求詐欺を体験できる。
札幌の声優養成専門学校の協力で、電話相手の声を実際の犯人の口調に似せるなどリアリティーを追求。被害事例を踏まえた注意点の解説も行う。
VRのプログラミングは今春、苫高専の電子・生産システム工学専攻を修了した清野良瞭さんが担当。新型コロナウイルス禍で作業の中断を余儀なくされながらも道警サイバーセキュリティ対策本部の意見も踏まえ、1年以上を費やして昨年12月までに完成させた。
14日、市内の植苗ファミリーセンターで開かれた植苗自警団の防犯研修会でお披露目。団員の1人が専用ゴーグルを着け、VRを体験する中、他の参加者は壁面に映し出された映像でだましの手口を共有し、被害を防ぐポイントを学んだ。
同団の濱田浩輔さん(30)は「臨場感があって、だまされるまでの過程を分かりやすく学べた」と語る。
同サイバーセキュリティ対策本部の工藤勇人警部補は「新しい技術を取り入れることで、防犯への取り組みに関心を持ってくれる人も増えると思う。被害をなくすため、活用していきたい」と話した。
3Dから2Dに映像を変換したVR動画は、動画投稿サイト「ユーチューブ」の道警公式チャンネルでも視聴できる。
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