能代の街なか再生へ 複合施設「マルヒコビルヂング」本格オープン

鏡開きでグランドオープンを祝い合う関係者たち(能代市元町のマルヒコビルヂングで)

1階カフェに併設した「子どもの遊び場」。テーブルや木棚にのぼったりできる
能代市の合同会社のしろ家守舎(やもりしゃ)=湊哲一代表社員=が老舗酒屋をリノベーションした複合施設「マルヒコビルヂング」が6日、グランドオープンした。今年1月に営業を始めていた1階カフェに「子どもの遊び場」を併設したほか、「DIYの学校」にする地下スペースの使用も始めた。空き店舗を活用し街なかににぎわいを呼び込んでいく「マルヒコプロジェクト」が大きな節目を迎えたことを関係者は喜びながら、同施設を拠点にした地域の再生に決意を新たにした。
代表社員の湊さん(44)=注文家具店代表=ら市内の若手実業家4人は、元年度に県が同市で実施した事業「動き出す、商店街プロジェクト」への参加をきっかけに、市中心部の再生に挑戦するのしろ家守舎を一昨年8月設立。大正時代に創業した旧酒屋で平成30年に閉店した元町の「丸彦商店」(地上2階・地下1階、約550平方㍍)を借り上げ、多世代が集まるにぎわいの拠点をつくり、地域住民や事業者、行政とも連携して一つでも多くの空き店舗のシャッターを開けていく「マルヒコブロジェクト」に取り組んでいる。
リノベーションは昨年1月に始まり、同年4月に
レンタルオフィス・コワーキングスペースで構成する「Co─motomachi」を2階部分にまず開業。今年1月には直営のカフェ「cafe&asobiba 4─6(よんのろく)」を1階部分にオープンさせ、自家焙煎のコーヒーやスイーツ、ランチメニューなどを提供してきた。
改修はその後も進められ、テーブルや木棚にのぼったり座ったりすることも自由な「子どもの遊び場」をカフェに併設。家具作りや空き店舗改修の手法などを学べる「DIYの学校」(KILTA能代)とする地下の作業場もほぼ出来上がったのを受け、カフェ名の「よんのろく」にちなみ、6日をグランドオープン日に決めた。
この日は家守舎メンバーや同ビルヂングへの入居者、マルヒコプロジェクトに参加・協力してきた人ら20人余りが集まり、店の前で開業を祝う鏡開きを実施。オープンの午前11時になると市民が続々と訪れ、自慢のコーヒーや地場食材にこだわった「よんのろくカレー」などを味わった。
子どもの遊び場には午前中、中学生グループが早速訪れて歓声を上げていた。三熊斗逢君(能代二中1年)は「建物に木の温(ぬく)もりを感じるし、テーブルに上がったりできるのが面白い。こういう場所が能代にできてうれしい」と話した。
湊さんは「一つの区切りを迎えることができ、本当にうれしい」と笑顔。これまでの取り組みが多くの人たちの目に留まり現在、県外を含むさまざまな所からマルヒコでイベントを開きたいといった話が舞い込んでいるとし、「カフェ経営だけでなく、家守舎本来の事業も意識し頑張っていきたい」と語る。メンバーの田中秀範さん(47)=飲食店運営会社社長=も「きょうはあくまでスタートであり、今後地域をどう活性化させていくかが肝心」と気持ちを引き締めていた。
カフェの営業時間は午前11時~午後6時。日曜・月曜日定休。子どもの遊び場は、「見守り」のスタッフが確保できるまで、小学生以下の使用は保護者同伴などのケースに限定する。
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