無人運転バスすいすい 道内初の公道実験 上士幌

自動運転の実証実験車両に乗り、手を振る上村実行委員長(左)ら
道内初となる自動運転バスの実証実験が14日、上士幌町役場前の町道で始まった。16日までの3日間、上士幌用にラッピングされたバスが公道を走る。
町や、ふるさと納税のポータルサイトを運営するトラストバンクなどで構成する「Japan Innovation Challenge 2017 実行委員会」が主催。自動運転バスは、路線維持など交通事業者が抱える課題の解決や、交通弱者の移動を支援する手段の一つとして期待されている。
バスはフランス製の「NAVYA ARMA」で今回の実験用に2台用意。運転席やハンドルがなく、座席は中央を囲むように11席配置している。タッチパネルで事前に記憶させたルートを走り、手動で動かす場合はテレビゲームのコントローラーで操作する。
車体はオレンジ色と紫色にラッピングされ、上士幌の子どもたちの笑顔やイメージキャラクターの「ほろんちゃん」が描かれている。
実証実験は役場周辺の町道を封鎖して行われ、1周約600メートルの公道を約5分間かけて走行した。走行中、道路脇に設置してあるコーン標識が風で車道に転がるハプニングもあったが、それも車内搭載のセンサーで検知し、自動で止まった。試乗した竹中貢町長は「車内はとても快適。対面式なのでコミュニケーションを深めるのにもいい」と話した。
午前9時45分からのオープニングセレモニーでは上村龍文実行委員長(トラストバンク取締役)、竹中町長、佐治友基SBドライブ社長、坂部浩明十勝総合振興局副局長、中木雄三郎拓殖バス社長がテープカットした。
上村実行委員長は「住民が行きたい所に行けるツールとして活用できる未来が遠くない将来に来る」、竹中町長は「町民や観光客の足として機能することを願う」とあいさつした。
<自動運転> 運転手がハンドルを操作しなくても人間の代わりに自動で運転するシステム。国は東京五輪・パラリンピック開催の2020年までの実用化を目指している。公道での自動運転バス実証実験はこれまで、沖縄県石垣市や秋田県仙北市で行われている。今年7月には国の、道の駅を拠点とした自動運転サービスの実証実験地域に大樹町が選ばれている。
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