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池田の長谷さん 家族を連れシカ猟 革をランドセル発注

 親子の絆と命の大切さを背負って-。この春から池田小学校に進学する長谷李咲(りく)ちゃん(6)の元に、エゾシカ革でできたランドセルが届いた。父耕平さん(36)が狩猟で捕獲した皮をなめし、その革を素材とした唯一無二のランドセル。李咲ちゃんは「めっちゃ格好良くてうれしい。学校に行ったら勉強を頑張るよ」と胸を膨らませている。

シカ革でできたランドセルを背負い、春から池田小に通う李咲ちゃん。左は耕平さん

 耕平さんは2016年に町地域おこし協力隊員となり、東京から妻の真澄さん(42)と李咲ちゃんを連れて移住。狩猟免許を取得し、購入したD型ハウス(町清見163)を自らの手で改修して、19年にエゾシカ革製品などを取り扱う「EZO LEATHER WORKS(エゾレザーワークス)」をオープンした。

 「この環境で共に生活する息子のために捕獲したシカの革でランドセルを」(耕平さん)と構想を描いたのは1年ほど前。有害鳥獣駆除の期間中、タイミングが合えば家族で狩猟に行き、昨年4月に町信取、同5月に町豊田でいずれも雄ジカを仕留め、同7月に町青山でメスジカを捕獲。撃たれて横たわるシカを目の前に、李咲ちゃんの口からは自然と「いただきます」という言葉が発せられるようになり、「命をいただく」ことの大切さを学んできた。

 ランドセルの製品化に当たっては耕平さんがこの3頭を解体した後、兵庫県姫路市の革作家に送り、李咲ちゃんの要望で青く染色してもらうなどしてから、同県丹波篠山市で工房を営む女性デザイナーの手でランドセルが形作られ、19日に長谷家に届いた。完成まで半年以上を要した。

シカ革でできたランドセル

 ランドセルにはエゾレザーワークスのロゴ入り。重量は約2キロと一般的な牛革のランドセル(重さ1~1.2キロ)に比べて少々重たいが、高級感の漂う質感はエゾシカ革ならでは。横幅は約25センチ、高さは約34センチ、奥行きは約19センチで、A4のファイルがすっぽりと収まる。フロントにあるバッグはボタン付きで取り外しでき、オシャレな手提げ用として持ち運びできる。

 李咲ちゃんは4月8日に入学式を控え、「友達は100人つくりたい」と無邪気に笑う。将来の夢はシカ撃ちの猟師、大工、消防士、保育士になること。ハンターで、時に大工仕事を請け負い、消防団に所属する耕平さんに憧れている。

 真澄さんは「夫や兵庫の作家ら、みんなの思いが込められたランドセル。それを忘れずに6年間通学してほしい」、耕平さんは「手に取ったり、食べたりするものの背景にまで想像力を働かせられる大人に育ってくれたら」と願う。

 現在は池田保育園に通う次男の掌(しょう)ちゃん(2)が小学校に入学する時には「本人が希望すればもう一つランドセルを作りたい」(耕平さん)とも話している。

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