浦幌食材商品化へ新会社 農業者ら5人「FF工房」
浦幌町内外の30~40代の農業者ら5人が、浦幌産食材の加工や流通、販売を通じて高付加価値化を目指す株式会社「FF工房」を設立した。首都圏のイタリア料理店を統括するシェフらの協力を得て、地元のジャガイモや高級菜豆などを使った冷凍食品を開発し、4月にも商品化する方向で準備している。

新会社を設立した前列左から砂原さん、社長の伊織さん、山田さん、後列左の高橋さん。後列右は八木さん、同中央は樋口さん
同社の設立は昨年9月。町内の農事組合法人「レギューム」に勤務する伊織祐貴さん(33)、町内の畑作農家でジャガイモなどを栽培している山田史弥さん(34)、町内の畑作農家で白花豆などを栽培している砂原亙さん(32)、町内の個人事業主として食のマーケティングを手掛ける高橋匠さん(41)、帯広市内で会社を経営する森野直樹さん(41)の5人が構成員となり、伊織さんが社長、ほか4人が取締役を務める。
社名にある「F」は、農業者のFarmer、漁師のFisherman、食のFood、仲間のFriends、夢のFutureが由来。農業者や漁師とつながり、浦幌の食を同じ志を持つ仲間たちと発信し、未来を明るくしたい-との思いを込めた。
浦幌産品の付加価値化に向けた活動は2年前に始動。音更町出身の作家八木圭一さんが、東京・渋谷や横浜などにイタリア料理店6店舗を構えるサローネグループ(東京)の統括シェフの樋口敬洋さんを紹介し、樋口さんの監修の下、商品化を模索してきた。町北町16の山菜工房だった建物を加工場として間借りし、3種類の商品化にめどが付いた。
町コスミックホールで2月27日に行われた会社設立報告兼試作品発表会では、ゲストに水沢一広町長ら15人を招待。伊織さんが「浦幌の食が地元の人に知られていないもったいなさ、そして作物には一定の規格外があることのもったいなさを感じていた」などと会社設立の経緯を説明した。

地元食材を使った試作品。左からズッパ・ビアンコ、カローテ・ドルチェ、パスタ・エ・パターテ
試食では、ニンジンをすり下ろしたピューレ「カローテ・ドルチェ」、白花豆のハーブを利かせたスープ「ズッパ・ビアンコ」、ジャガイモのメークインを使ったパスタ「パスタ・エ・パターテ」が提供された。水沢町長は「3品ともおいしい。商品化され、日本中に出回れば」、町商工会の竹田悦郎会長は「地元の飲食業界を盛り上げ、浦幌でもこの料理を食べられる店ができれば」、JAうらほろの林常行組合長は「農業振興とまちの活力につながると信じている」と期待を込めた。
カローテ・ドルチェとズッパ・ビアンコは早ければ4月に商品化され、町のふるさと納税の返礼品や道の駅うらほろの売店に加わる予定。パスタ・エ・パターテは使用する食材やパッケージなどを見直し、商品化を模索する。伊織さんは「ゆくゆくは町民に食べてもらえる機会を設けたい」と話していた。
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