ベビーリーフ 首都圏へ販路拡大 ヤマガタデザイン ハウス増設51棟に 地域の有機資源利用
街づくり会社ヤマガタデザイン(鶴岡市、山中大介社長)のグループ企業で、農業生産販売を担うヤマガタデザインアグリは、主力の有機栽培ベビーリーフの需要増に対応した生産拡大に向け、鶴岡市豊田に農業用ハウス14棟(合計栽培面積42アール)を新設した。既存のハウスと合わせ51棟(同144アール)へ規模が拡大。引き合いの多い有機農産物の生産量を増やし、首都圏を中心に販路を広げていく。

1月に完成した14棟のハウス。既存を含め計51棟に規模拡大した=鶴岡市豊田
ハウスによる有機農産物の生産は、2019年から始めた。現在は37棟で水菜、からし菜、ルッコラ、小松菜、レタス、ホウレン草などのベビーリーフと、ミニトマトを栽培。先月完成した増設のハウス14棟はすべて収益性の高いベビーリーフ栽培に向け、年間約30トンの生産量を3割増の約40トンに増やす計画。
同社によると、生産した有機栽培のベビーリーフは地元のスーパーなどのほか、有機野菜通販のインターネット会社、関東圏の百貨店や高級スーパーなどに販売。昨秋からは首都圏を地盤とするスーパーとの取引も始まった。ヤマガタデザインアグリの担当者は「有機農産物の引き合いは多いものの、生産量が限られているため、注文を断らざるを得ない状況だった」と話す。
農林水産省は昨年5月、地球温暖化防止や農業の環境負荷低減に向けた「みどりの食料システム戦略」を策定。化学農薬や肥料を利用しない有機農業の面積を、現在の約40倍に相当する100万ヘクタールまで拡大するなどの目標を掲げている。同社は「世界的に有機農産物への関心が高まり、国内でも有機食品市場が徐々に拡大している。ハウス増設によって、こうしたニーズに応えたい」と話している。
同社は、庄内地域で盛んな養豚のふんの堆肥や、ハウスの加温に使ったもみ殻の燃え殻やナメコ栽培の菌床を土壌にすき込むなど、地域の有機資源を利用する土壌改良の取り組みも進めている。既存ハウスに加え、先月増設したハウスも25年には有機JAS認証を取得する見込みで、同認証を受けたハウス面積では県内最大規模になるという。
地元の有機農産物などを取り扱う同社のブランド「SHONAI ROOTS(ショウナイ・ルーツ)」による販売も強化する。協力農家の生産物を取引先に売り込む商社機能も果たしており、今後は個人生産者の少量品目の取り扱いも拡大する考えだ。

収益性が高く引き合いの多い有機栽培ベビーリーフの増産を進める
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