児童生徒の感性きらり 年刊詩集「たろっぺ」70号記念展始まる
年刊詩集「たろっぺ」の70号刊行を記念した展示(能代市柳町の旧料亭金勇で)
昭和から平成、令和にかけて能代山本の児童生徒の感性豊かな詩を収録し、今年度で発刊70号の節目を迎えた年刊詩集「たろっぺ」。地域住民らに詩集の歩みを伝えるとともに、70年余りにわたる能代山本での生活、子どもたちの生き生きとした作品を紹介する展示が11日、能代市柳町の旧料亭金勇で始まった。会場には創刊号から今月10日に発行された70号までの冊子、優れた作品を紹介するパネルなどを展示。初日から地域住民が訪れ、懐かしそうに自分や子ども、孫が書いた作品を読む光景が見られた。会期は27日まで。
「たろっぺ」は、能代山本教育研究会国語部会(会長・髙橋直樹第四小校長)の前身である能代山本国語同人会が昭和26年度に「年刊詩集」として発刊したのが始まり。第二次能代大火の影響で31年に一度休刊したが、70年にわたって刊行し続けており、県内の教育団体が発行する詩集や文集の中で最も歴史ある詩集として知られている。表題の「たろっぺ」は秋田弁で「つらら」を意味する。
今展は、同部会が旧料亭金勇施設長で元会長の杉山靖広さんの協力を得て平成8年度の「45号発行記念『たろっぺ展』」以来25年ぶりに開催。第11号を除く創刊号から70号までの冊子(創刊号~10号は復刻版、14、19号は表紙のみ)を展示。ガリ版で印刷された創刊号の前書きには、編集者の一人、竹内武次さん(故人)が指導する教諭らに向けて「しょんぼり何かをみつめている子や、とてつもない大きな声でおどろいたり、わめいたりしているあなたがたの子供達のようすを、しっかり胸に描いてみてください」とアドバイスを送っている。
また、全70号の第一席作品から厳選した作品をパネルで展示。「はこぞり」や「しべぶとん」など当時の暮らしの中で使われていた道具との関わりを取り上げたり、米代川の洪水(昭和47年)、冷害(51年)、日本海中部地震(58年)といった災害の中での家族との関わり、地域の様子を描写した作品が目立った。
このほか、同市日吉町の写真家、荒井秀太郎さん(故人)が昭和時代に市内の子どもたちの表情、生活にフォーカスした作品展示や、平成10年の県国語教育研究協議会能代山本大会で行われた「たろっぺ朗読発表会」の映像も放映している。
地元紙で紹介された作品を読もうと来場した常葉綾子さん(92)=同市昭南町=は「だいぶ前に新聞で紹介された作品と巡り合うことができて、とてもうれしい。この作品を書いた人の観点、素直な表現が素晴らしかった」と話した。
入場無料。時間は午前9時30分~午後4時30分。
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