球春再来、躍進に期待 大高センバツ出場に群島喜び
大島高校野球部員たちに胴上げされる塗木哲哉監督=28日、奄美市名瀬の同校
「元気と希望もらった」「甲子園でも活躍を」│。鹿児島県奄美市の県立大島高校が8年ぶり2度目となる選抜高校野球大会への出場を決めた28日、奄美群島は喜びに沸いた。同校卒業生や高校野球関係者、野球ファンなど群島内外から大島高野球部への祝福と、甲子園での躍進を期待する声が上がった。
「センバツ決定」の吉報は瞬く間に各地へ広がった。大島郡町村長会の高岡秀規会長は「大島高野球部には奄美大島だけでなく喜界島や徳之島出身の選手も在籍しており、まさに奄美群島の代表としての出場。聖地、甲子園でその実力を発揮し、活躍することを群島民一同期待しています」とコメント。
鹿児島県の塩田康一知事も「九州大会で見せた最後まで諦めないひたむきな姿は島民だけでなく、県民と県出身者にも勇気と希望、元気を与えてくれた。甲子園のグラウンドで皆さんのはつらつとしたプレーを期待しています」とのメッセージを寄せた。
大島高野球部前監督の渡邉恵尋さん(53)は「昨秋の県大会や九州大会で島の子たちが伸び伸びとプレーする姿は頼もしく、2度目となる甲子園出場は非常にうれしい」とコメント。監督として甲子園でチームを率いた8年前を振り返り、「島民や出身者の応援など何もかもすべてがすごかった。選手たちは島の人たちの熱い思いもかみしめ、自分たちの力に変え、甲子園の舞台で全力を出し切ってほしい」とエールを送った。
「島から甲子園」の知らせに奄美大島以外の島々も祝福ムードに包まれた。「私も妻も卒業生で今は娘が大高に通っている」という喜界町の向井大吾さん(47)は「母校の甲子園出場はとてもうれしい。喜界でも昨秋の大会から大高の活躍は話題だった。喜界中出身選手も野球部に所属しており、注目度も高いと思う」と語った。
指導者や他校の野球部員らも快挙を祝った。天城町の樟南第二高野球部の我那覇悟志監督(37)は「九州大会の活躍は群島に勇気と力を与えてくれた。今回のセンバツは鹿児島代表として甲子園での勝利を狙う立場になる。プレーで日本中に元気を届けてほしい」。
徳之島町にある県立徳之島高野球部の幸田大和主将(17)は「大島には一緒に野球をしてきた仲間もいて、同じ離島勢としてもセンバツ決定はうれしい。一方で、ライバルとしては悔しさも感じている。大島に負けないよう、自分たちは夏の甲子園を目指す」と力を込めた。
大島高OBで、沖永良部島の和泊中野球部の外部コーチを務める大福和寛さん(43)は「大感動。一般枠での甲子園出場決定は、島で野球をしている子どもたちにも、チャンスがあると思わせてくれた。試合当日は球場で応援したい」と声を弾ませた。
大島高校の卒業生で組織する安陵会与論支部の田中國重会長(79)は「大高の歴史にとって大きな誇り。選手たちには、全員野球で頂点を目指してほしい」と激励した。
群島外の出身者らにも感動を届けた。関西奄美会の顧問で大島高8回卒の白畑毅さん(83)は「実力での甲子園出場は快挙であり出身者として誇らしい。選手と応援団が一つになった8年前の甲子園での思い出が記憶に焼き付いている。選抜大会が始まる頃にはコロナも収束し、再び前回のような応援ができることを願っている」と期待した。
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