雪室に純米大吟醸「滲―Shin―」を運び込む中ア観光の従業員=ホテル千畳敷、26日午後
「中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ」を運行する中央アルプス観光(長野県駒ケ根市)は26日、山頂駅がある中ア千畳敷(標高2612メートル)で日本酒の雪中熟成を始めた。2017年のロープウエー開業50周年記念で商品化し6年目。氷点下10度以下になる天然の冷蔵庫「雪室」の中で3カ月貯蔵し、4月27日の開山式に合わせて掘り出し、販売する。
雪中熟成酒は伊那市荒井の蔵元「宮島酒店」に依頼し、醸造したオリジナル純米大吟醸「滲―Shin―」。中アの伏流水がふんだんな同市横山で栽培された酒米「美山錦」を使っている。
「遮光した低温の雪の中で寝かすことにより、ふわっとした甘みや華やかな香りがより際立つ」と同蔵元の宮島敏社長(59)。今季は減農薬で栽培する米のバランスも良好で、300リットル仕込んだ酒の出来栄えに胸を張る。
粉雪が舞う極寒のこの日、中ア観光の従業員約15人で埋設作業。ホテル千畳敷の脇に設けた雪室に、ロープウエーで荷揚げした酒をケースごと運び込み、光を通さないようシートや雪をかぶせた。
今季から中ア観光の日本酒担当に入社1年目の清水萌佳さん(23)が加わり、稲穂や中アの稜線と水などをイメージしたPR用のロゴを作成。清水さんは「中アを思い浮かべながら滲を味わってもらいたい。コロナ禍が落ち着いたらぜひ千畳敷に足を運んでもらえれば」と話した。
500本限定販売で、価格は500ミリリットル入り3000円(税込み)。ホテル千畳敷やしらび平駅の売店で販売するほか、インターネットや電話で事前予約の受け付けを同日から始めた。50セット限定で今季から販売する「滲」と純米酒「辿‐SEN‐」の化粧箱セットは4500円で、ホテルとしらび平駅のみで取り扱う。問い合わせ、申し込みは中ア観光(電話0265・83・3107)へ。
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