鶴岡市議会 初の百条委員会設置 皆川市長 100万円寄付不記載
皆川治鶴岡市長(47)が2017年10月の市長選期間中に支援者男性から受領した現金100万円の寄付を選挙運動費用収支報告書に記載していなかった問題で、鶴岡市議会は25日、臨時会で、地方自治法に基づき議会に強い調査権限がある調査特別委員会(百条委員会)設置の決議案を賛成多数で可決した。今後は百条委で関係者の証人喚問を行うなどして問題の経緯や事実関係を明らかにしていく。同市議会事務局によると、同市で百条委設置は初めて。
鶴岡市政初の百条委員会設置を賛成多数で可決した=25日午後、市議会本会議場
この問題は昨年12月22日に発覚し、同27日と1月18日の2回、皆川氏が出席して市議会議員全員協議会で質疑が行われた。この間、皆川氏は17年市長選時の同収支報告書を2度訂正した。報告書訂正に関する皆川氏の説明が一貫していないとして、市議会最大会派の新政クラブを中心に百条委設置の動きが出ていた。
この日の臨時会で、新政クの尾形昌彦団長、市議会公明党の富樫正毅代表、無所属の小野由夫議員の3議員が設置の決議案を提出。提案理由で尾形団長は、報告書の訂正に関し、「調査せずに訂正を許せば、都合よく訂正できる前例となり、選挙制度の根幹を揺るがす。真実を明らかにするのが議会の努めだ」と述べた。百条委の証人喚問の対象として皆川氏のほかに、寄付した支援者、皆川氏の選挙時の出納責任者、支援者宅への同行者を挙げた。さらに「市長の職員に対するパワハラを訴える複数の投書があった」として、100万円問題と併せて百条委での調査を求めた。
提案への質疑、討論では、市民の声・鶴岡、市民フォーラム、SDGs鶴ケ岡、共産党市議団の各会派の議員から「百条委の設置は行政事務に関するものであり、この問題は調査対象外。議会権限の乱用だ」「議会としての調査が必要なら、百条委以外の方法がある」「百条委設置は地方議会にとって極めて重要な責任を問われるものであり、慎重に行われるべきだ」など設置への反対、慎重な意見が出された。議長を除く27人の採決では、賛成16、反対11の賛成多数で設置が可決された。
本会議終了後、議員12人で構成する百条委の第1回会議が開かれ、正副委員長を互選。今後、調査の内容や日程などを調整する。
臨時会終了後、報道陣の取材に皆川氏は「真摯(しんし)に対応し説明していきたい。認識の甘さ、理解不足がこうした事態を招き申し訳ない」と語った。
百条委の委員は次の通り。(かっこ内は所属会派)
▽委員長=佐藤博幸(新政ク)▽副委員長=加藤鑛一(共産党市議団)▽委員=草島進一(市民の声・鶴岡)田中宏(SDGs鶴ケ岡)石井清則(市民フォーラム)菅井巌(共産党市議団)富樫正毅(市議会公明党)黒井浩之(同)石塚慶(新政ク)佐藤昌哉(同)五十嵐一彦(同)尾形昌彦(同)
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