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北羽新報社

医療用かつらに使って 能代市の小3男児がヘアドネーション

切ってもらった毛束を見て、伸ばし続けた努力の重みを感じた菅原君(能代市花園町で)

カットに臨む前の菅原君。髪は40㌢近くまで伸びていた

 病気などで脱毛などに悩む子どもたちの医療用かつらに役立ててもらおうと髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に興味を持ち、2年以上も髪を伸ばしてきた能代市向能代小3年の菅原凜君(8)=同市落合=が22日、市内の美容院で黒髪をカットした。毎日手入れを欠かさず行ってきた髪を眺め「病気や事故で困っている人たちの役に立ってほしい」と願いを込めた。

 菅原君がヘアドネーションを知ったのは、小学1年の秋。テレビ番組の特集で、小学校高学年の男子児童が、病気や事故で頭髪が生えなかったり、抗がん剤の副作用で抜け落ちて悩みを抱える人のために取り組む姿を見て「自分も人の役に立ちたい」と両親に相談し、髪の毛を伸ばし始めた。
 当初は周囲に理解されず「男なのに髪を伸ばすのは、女みたい」「大人になってからやれば」と心無い言葉を投げ掛けられることもあったが、父・治さん(44)、母・舞さん(45)は「本人の社会貢献しようという強い気持ちを大切にしたい」と励まし続けた。
 また、自らの思いやヘアドネーションを多くの人に知ってもらおうと、昨年秋、活動の趣旨や世界中で広がる活動、関係者へのインタビューなどをまとめたものを、「能代市立図書館を使った調べる学習コンクール」に出品し、佳作を受賞。学校でも全校集会でヘアドネーションについて発表したことで、徐々に理解の輪が広がったという。
 取り組み始めてから2年余り。毎日、傷まないようにトリートメントをつけ、両親に手伝ってもらいながら丁寧に乾かすなどしてきた髪は40㌢近くまで伸びた。寄付の要件である「31㌢以上」をクリアしたため、NPO法人ジャパンヘアドネーション&チャリティーの賛同サロンに同市二ツ井町の本店が登録している同市花園町の美容室「ako」能代店(桧森由紀子店長)でのカットを決めた。
 22日に両親と双子の兄、悠君と店を訪れた凜君は、椅子に座ってカット後のヘアスタイルをベリーショートに決めると、美容師が髪の毛を幾つかの束にまとめ、はさみでカット。毛束を見せてもらった凜君は「短くなって気持ち良い。切った髪はとてもさらさらしていた」とほほ笑んだ。
 横で見ていた悠君は「髪が短くなって同じ凜とは思えないや」と驚いた表情。治さんは「本人はこれまで大変な思いをしてきたが、努力し続けてきたことを無事にやり遂げた。この経験はきっと将来に生きるはず」と感慨深げに語った。
 ヘアドネーションのため、一緒に髪をカットした舞さんは愛息の姿を見て「今まで本当によく頑張った。本人も満足そうで何より」と目を細めた。
 カットした髪は、自宅に持ち帰り、寄付先を決めてから送るという。「伸ばしてきた髪を切ったのは寂しいけれど、自分の髪が多くの人の助けになることが一番うれしい。大人になってからもう一度やりたい」と話した。

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