模擬御柱で龍神像彫刻 長野県伊那市の三澤寺
14日から龍神像を彫る城所ケイジさん(左)と彫刻を依頼した武田正幹住職=13日、伊那市の三澤寺前
長野県伊那市福島の三澤寺(さんたくじ)は下諏訪町の模擬御柱の会から譲り受けた「模擬御柱」を活用して、本堂に安置する龍神像の制作に取り掛かる。夢で龍神を見たという武田正幹(しょうかん)住職(36)が、思いを形にするためにチェーンソーアート世界チャンピオンの城所(きどころ)ケイジさん(54)=和歌山県=に彫刻を依頼した。城所さんは同寺駐車場に作業場を設け、14日から彫り始める。
城所さんはチェーンソーアートの国際大会で4年連続優勝するなど、国内では第一人者として知られる。大型彫刻を中心にさまざまな作品を制作するが、龍神像は有名で、東日本大震災被災地の神社仏閣を彫刻巡礼するなど、これまでに五十数体を彫ってきた。三澤寺で制作する龍神像は高さ1.5メートルほどになる予定で、1月末までには完成させる。
制作開始までには物語があった。昨夏、何度か龍神を夢に見た武田住職。「最初は『気に入ったからここにいてやる』と言われ、次には『住まいをつくれ』、その後『早くしろ』というようなことを言われた」と明かす。彫り手を探しているときに偶然目にしたのが城所さんのホームページで、思いを伝え、打ち合わせをして快諾を得た。後は用材の手配だったが、「城所さんから『ご縁のある所には使う木が必ず現れる』と言われた通り、間もなく『模擬御柱』を引き取る話がまとまった」という。
「模擬御柱」は直径約80センチのモミの大木で、同町の「木落し坂」に設置されていた。昨年12月の「御柱休め」を経て、役目を終えた用材を同寺が4メートル分譲り受けた。用材は2メートルずつに切り分けてあり、1本は龍神像に、もう1本は寺額(山号額)にする。彫刻時に切り落とされる木片も捨てることなく活用し、同寺が取り扱うお守り袋に入れて参拝者に授ける予定だ。
関連記事
綱のし神事で祝う 改築「蔵SHOP」に掲げる 竹の露酒造場
大みそかから元旦にかけて鶴岡市羽黒町の出羽三山神社で行われた松例祭で、地区の若衆が担いだ引き綱を奉納する「綱のし神事」が14日、羽黒地域の酒造会社、竹の露酒造場で行われた。竹の露では昨年、築370年の...
「特殊詐欺に注意」カード風ポスター 帯広署研修中の落合巡査制作
帯広署で実務研修中の道警の落合七菜華(ななか)巡査(23)が、特殊詐欺への注意を呼び掛けるポスター「『トクシュサギ』という名のツル」を制作した。落合さんは「詐欺の手口は新しいものが出てきている。...
バス運転士が不足 路線維持に苦慮、便数少ない徳地では親が防府や周南に通う高..
全国的にバス運転士が不足する中、山口市内の一部地域でも問題が生じつつある。市は採用助成金の創設や就職説明会の開催などで人員確保、路線維持に努めているが、働き方改革に伴う2024年問題、バス会社...
元ドラゴンズ投手・岩瀬さんがプロ野球殿堂入り
今年の殿堂入りのプレーヤー表彰が16日発表され、愛知大学野球部出身で中日ドラゴンズ元投手の岩瀬仁紀さん(50)がオリックス、マリナーズで活躍したイチローさん(51)とともに選ばれた。大学、社会人時代で...