西表島で見つかった新種のアカズミゴキブリ（柳澤静磨氏提供）

　竜洋昆虫自然観察公園（静岡県磐田市）の柳澤静磨氏らの研究チームは、西表島で新種のゴキブリを発見したと4日、発表した。日本昆虫分類学会が発行する学会誌「Ｊａｐａｎｅｓｅ　Ｊｏｕｒｎａｌ　ｏｆ　Ｓｙｓｔｅｍａｔｉｃ　Ｅｎｔｏｍｏｌｏｇｙ」に2021年12月30日付で掲載された。

　今回、新種記載されたのはゴキブリ属の「アカズミゴキブリ」。森林内の樹幹上で見つかったことや前胸の斑紋と翅が赤いことからキジムナーにちなんだ学名「Ｐｅｒｉｐｌａｎｅｔａ　ｋｉｊｉｍｕｎａ」が付けられた。

　アカズミゴキブリは、全長42・1～45・3㍉の大型のゴキブリで森林内のみに生息する。

　63種だった日本産のゴキブリは今回の発見で64種となった。

　柳澤氏は、これまでに与那国島だけに生息するウスオビルリゴキブリ（2020年）や宮古島で見つかったベニエリルリゴキブリ（2021年）など5種の新種発見に関わっており「ゴキブリは多くの人から嫌われている生き物だが自然の中では多くの生き物とかかわりあう生物多様性の大事な1ピース。この研究が彼らの本当の姿や生物多様性とは何かについて考えを深める機会になれば」と話した。