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長野日報社

御神渡り出現願う 八剱神社が観察を開始 長野県の諏訪湖

今季の御神渡りの監視を始めた八剱神社の関係者=5日午前6時50分ごろ、諏訪市豊田の舟渡川河口

 諏訪湖面の氷がせり上がる御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる 八剱神社(長野県諏訪市小和田)は5日朝、湖面状況の観察を開始した。宮坂清宮司(71)や大久保一大総代(71)、氏子総代ら計18人が同市豊田の舟渡川河口にある観察地点に集まり水温を計測。御柱祭が開かれる今年、2018年以来4年ぶりに出現するよう願った。

 この日は午前6時30分から観察を開始。晴天が広がり、宮坂宮司らが持ち込んだ温度計で気温は氷点下7.8度。湖面は7割ほどが薄氷で覆われ、氷上を歩く水鳥の姿も見られた。身を切るような寒さの中、参加者は厚さ5ミリほどの氷に氷斧で穴を開けて湖水の温度を計測。深さ約20センチで1.2度だった。

 宮坂宮司によると、神事に関わり始めた1985年以降、御神渡りは全体の約3割の年で見られたが、御柱年に限れば5割の確率で出現している。宮坂宮司は「既に湖面が薄氷に覆われており幸先が良い。これからの1カ月が楽しみ」と期待を寄せた。大久保大総代は「この冬は寒いとの予想が出ている。年末年始に冷え込みが続き、各所で期待の声が上がっている」と話した。

 氷がせり上がるには全面結氷し、氷点下10度ほどに冷え込む日が2、3日続くことが目安となる。シーズンを通じて御神渡りが見られない「明けの海」は江戸時代の1600年代に1回だけだったが、1989(平成元)年以降は24回を数えている。

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