変わらぬ味 愛され40年 帯広の「喫茶木かげ」

「これからも地域の人に愛される喫茶店でありたい」と話す高橋社長
帯広市内の「喫茶木かげ」(東2南26、高橋延忠社長)が8月末、創業40周年を迎えた。同じ場所でこれだけ長く続く喫茶店は市内でも珍しく、「いつでも立ち寄り、落ち着いてゆっくりと過ごしてもらいたい」(高橋社長)という変わらぬ思いが、来店客に喜ばれている。
岐阜県出身の高橋社長(89)は、喫茶店文化が盛んな名古屋にたびたび足を運び、喫茶店開業を夢見ていた。65年前に仕事の関係で帯広に移り住み、衣料品製造販売店に勤務。来店客から「(隣に)喫茶店があったら」と言われたのを契機に、隣接の売り家を1970年に購入。77年に念願の喫茶店をオープンした。
「ゆっくりしていってほしい」(高橋社長)との思いから、椅子はソファにこだわった。毎朝8時の開店と同時に約50席の半分ほどが埋まり、新聞を読みながらモーニングセットを楽しむ来店客でにぎわう。
さまざまなニーズに応えるため、従業員から新しいアイデアを募るなど工夫を凝らし、メニューは年々増える。現在、32種類の料理と42種類の飲み物メニューを提供している。
一方、創業以来変わらない味も大切にする。鶏肉やゴボウなど約10種類が入った混ぜご飯に、野菜サラダや目玉焼きが付く「木かげセット」(1000円)は高橋社長思い出の一品で、「昔、別の喫茶店で熱々のナポリタンの上に目玉焼きが載って出てきたとき思った豪華さを再現したかった」という。
「1975年ごろ、ブームで市内に300軒ほどあった喫茶店も、最近は数が減ってしまった」と時代の変化を感じるという高橋社長。一方で「これからも変わらぬ味を大切に、地域の人に愛され続ける喫茶店にしていきたい」と話している。
営業時間は午前8時~午後6時。年末年始以外は無休。問い合わせは同店(0155・26・2399)へ。
関連記事
地酒で地域の魅力発信 来月31日「初夏の呑みあるき」 長野県伊那市
長野県伊那谷の地酒を味わう第28回「信州伊那街道初夏の呑みあるき」(実行委員会主催)が5月31日午後3時30分から伊那市のセントラルパーク、いなっせ北側広場、通り町商店街で開かれる。辰野町から飯田...
日本酒飲んで復興後押し 酔仙酒造・陸前高田市を応援する会 苫小牧
東日本大震災で津波被害を受けた岩手県陸前高田市と同市の酒造会社・酔仙酒造を支援する「酔仙酒造・陸前高田市を応援する会」(岡部喜代司、加藤孝治共同代表)が21日、苫小牧市住吉町のアールベルアンジェ...
500人大合唱、団員募る 帯広三条高が秋の110周年式典向け
帯広三条高校の110周年記念協賛会(松本健春会長)は、記念式典(10月18日・帯広市民文化ホール)で同窓生ら総勢500人による大合唱を披露する音楽会を開く。7月頃まで記念合唱団員を募集している。 ...
理大生が国連シンポジウムで大役 日本の薬乱防止活動を発信【山陽小野田】
山口東京理科大薬学部6年の田苗悠華里さんと梶本莉世さんが今春、オーストリアのウィーンで開かれた第68回国連麻薬委員会(CND)のシンポジウムに参加し、日本の薬学生の立場で薬物乱用防止活動の重...