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故富樫実氏(鶴岡市出身名誉市民)追悼書籍を市に寄贈 彫刻作品や生前エピソードつづる

 鶴岡市出身の彫刻家で、2019年11月に88歳で死去した名誉市民・富樫実氏(京都市)の作品写真や本人の俳句、親交のあった人たちの生前エピソードなどで構成した書籍が刊行され28日、地元在住の縁者が鶴岡市に1冊を寄贈した。

富樫氏の作品写真やエピソードなどで構成した書籍

 富樫氏は1931年、旧櫛引町桂荒俣生まれ。庄内農学校(現庄内農業高)卒業後、岩手県一関市で高村光雲の孫弟子に当たる仏師・佐久間白雲氏に師事し仏像彫刻を学んだ。京都市立美術大(現京都市立芸術大)彫刻科を卒業後、フランス政府給費留学で国立パリ美術学校で学んだ。仏教思想を背景とした「空(くう)にかける階段」シリーズをライフワークとして制作し、国内外で高く評価。京都成安女子学園常務理事、成安造形大学部長など歴任。99年に紺綬褒章を受章し、櫛引町名誉町民(現鶴岡市名誉市民)に推戴された。

 今回の書籍は「空を切り瀬に舞う枯れ葉悟る無常―彫刻家・富樫実 モチーフ&エピソード&俳句」(A4判200ページ)。死去後に長女の冨樫直美さん(京都市)が呼び掛け、各地にある富樫氏の作品写真や、親交のあった国内外のアーティストや故郷の人たちなど約70人によるエピソード約80編、寄稿6編で構成。富樫氏の芸術への情熱や哲学、人柄などを、追悼の意味を込めて編集した。164部限定の発刊。

 タイトル中の「空を切り瀬に舞う枯れ葉悟る無常」は、富樫氏が生前に制作した俳句で、ライフワーク「空にかける階段」シリーズにも通じる。親戚の新聞記者が取材した時、「僕に会いたかったら庄内に来い。僕は作品として庄内で生きている」と語ったというエピソードも紹介している。

 寄贈は直美さんの希望に基づくもので、この日は富樫氏の生家の現当主で、富樫氏の甥、直美さんの従兄に当たる冨樫新悦さん(72)=鶴岡市桂荒俣=が市櫛引庁舎の早坂進支所長と共に市役所を訪問。「本人は生前、彫刻作品は多くの人が手に触れるような形で展示してほしいと話していた。本も、作品と一緒に見られるようにしてもらえたら」と皆川治市長に伝達した。皆川市長は「市民が彫刻作品と一緒に見られるような方法を検討したい」と感謝を述べた。

 早坂支所長によると、櫛引庁舎だけでも富樫氏の作品171点を保管。富樫氏の遺志を受け、うち19点は学校やホテルなど公的な施設7カ所に無償で貸し出している。今後も希望があれば貸し出すという。問い合わせは同庁舎総務企画課=電0235(57)2111=へ。

富樫氏の追悼書籍を皆川市長に伝達する冨樫新悦さん(奥)

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