農家女性から こんにゃく作り学ぶ(山大農学部 地域創生プロ)地域に出向き多様な体験
山形大農学部(鶴岡市、村山秀樹学部長)は本年度、2019年4月のカリキュラム再編で新設した「地域創生プログラム」を本格始動させ、3年生が分野横断的に授業を選択するとともに、地域に出向きさまざまな体験に取り組んでいる。20日にはその一環で、学生が鶴岡市藤島のJA庄内たがわ農産加工技術研修施設で、農家女性からこんにゃく作りを学んだ。
JA庄内たがわ女性部員(左)からこんにゃく作りを学ぶ山大の学生たち
同学部は19年4月、それまでの1学科6コースから3コース(アグリ、バイオ、エコの各サイエンス)に再編。併せて3年次から各コースの専門性を高める従来型の「基幹プログラム」に加え、他コースの授業も横断的に選択できる「国際展開プログラム」「地域創生プログラム」を新設した。
このうち地域創生プログラムは、食や農を核とした地域ニーズに応えるため、地域の活性化や地域社会マネジメントについて学び、地域課題の解決を目指すもの。地元の産学官でつくる地域定住農業者育成コンソーシアム(会長・村山学部長)による年間162時間の「食と農のビジネス塾」や、地域社会のニーズや地域課題を探る「地域創生プログラム実習」などの授業を選択できる。
3年生がコース横断的に授業を選択できる初年度の本年度は、13人(アグリ9人、バイオ1人、エコ3人)が地域創生プログラムを選択。春から農業の生産や加工、販売の各現場に出向くなどしている。
この日のこんにゃく作りは、地域創生プログラム教育ディレクターの藤科智海准教授(47)が担当する「地域創生プログラム専門演習」で、この春からJA庄内たがわと取り組んでいる共同授業の5回目。3年生9人(うち4人が地域創生プログラム選択)と大学院生2人の計11人が、同JA女性部(蓮池まき部長)メンバーから、蒸したコンニャクイモを水と一緒にミキサーにかけた後、手で練り、凝固剤を入れて煮るなどの作業に取り組んだ。
ともに地域創生プログラムを選択している門脇聖さん(21)=岩手県奥州市出身=は「実家が農家だが、このプログラムで農作業や販売などを体験し、生産者目線から農業のやりがいや可能性を見て、就農への決意が固まった」、横尾桜子さん(21)=東根市出身=は「学外に出て、農業の原点である地元の人と関わる機会は貴重で、楽しい。コース横断的な授業も、視野が広がり、刺激になる」と話した。
藤科准教授は「プログラムには、答えが分からない地域課題に、さまざまな分野の知識を駆使して向き合っていく人材を育てる狙いもある。地域の大学として、地域をフィールドに学びを深めてほしい」と話した。
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