芭蕉布帽子が入賞 全国伝統的工芸品公募展で県内唯一受賞 伝統工芸士、長谷川さん(知名町)
全国伝統的工芸品公募展で入賞した作品を手に持つ長谷川さん=8日、鹿児島県知名町
2021年度全国伝統的工芸品公募展(伝統的工芸品産業振興協会主催)で、沖永良部芭蕉布工房代表で伝統工芸士の長谷川千代子さん(82)=知名町=の作品「帽子 キャプリーヌ」が鹿児島県内で唯一入賞した。長谷川さんは「沖永良部島の宝、芭蕉布を使った帽子を着けて、外出を楽しんでほしい」と受賞を喜んだ。
同公募展は、伝統的技術・技法に、新しいアイデアや表現を取り入れた市場性のある伝統的工芸品を公募し、魅力ある製品を開拓する目的で企画。今回は254点の応募があり、15点が入賞した。
芭蕉布は、イトバショウから取り出した繊維を使った布製品で、沖永良部島の伝統工芸品。長谷川さんの作品は、バイヤー賞を受賞した。つばの広い女性向けの帽子で、芭蕉布で飾りもあしらった。来年1月6日まで、伝統工芸青山スクエア(東京都港区)で開催されている同公募展の優秀作品展で展示される。
沖永良部芭蕉布工房では来年3月まで、イトバショウから繊維を取り出す「ウービキ」という作業をしている。長谷川さんは「芭蕉布を次世代に引き継いでいくためには、たくさんの人に製造工程を体験してもらうことが大事だと思っている。興味のある人は、気軽に体験に来てほしい」と話した。
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