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巨大地震 死者最悪19.9万人 21日、内閣府が被害想定公表

 十勝沖を含む日本海溝・千島海溝沿いで発生が予測されている巨大地震に関して、内閣府は21日、最大クラスの地震と津波が起きた場合の被害想定を公表した。道内の死者数は日本海溝モデルで最大13万7000人に上り、建物11万9000棟が全壊する。十勝に影響が大きい千島海溝モデルでは最大8万5000人。全国の死者数は最大19万9000人とした。一方で、迅速な避難が行われた場合は死者数が約8割減になるなど、防災対策の効果も示され、「冷静に受け止めて備えることが必要」と行政や住民に呼び掛けている。

 内閣府は「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」を設置し、2020年にマグニチュード(M)9超の最大クラス地震の震度分布と津波高などを公表。道内は最大震度7の揺れに見舞われ、日高管内えりも町の27.9メートルなど巨大津波が押し寄せるとした。十勝沿岸部では最大震度6強、10~20メートル超の津波が予測されている。

 今回の被害想定は、被害の全体像を明らかにし、防災対策の必要性を周知する目的で公表。十勝・根室沖が震源の「千島海溝モデル」、日高・三陸沖の「日本海溝モデル」の2パターン別に、「冬・深夜」「冬・夕」「夏・昼」の3種類の時期・時間帯で試算した。

 死者数が13万人に上る道内の最大被害は日本海溝モデルで、多くの人が就寝中の「冬・深夜」の場合。十勝を最大津波が襲う千島海溝モデルでも、死者数が最も多いのは「冬・深夜」の約8万5000人とした。建物倒壊や火災などは約100人で、ほぼ全員が津波による被害と推計された。

 一方、こうした最大被害は早期避難率が低い場合(すぐに避難=20%)で、早期避難率が高く(同70%)、情報伝達や避難呼び掛けが効果的に行われた場合は、千島海溝「冬・深夜」の死者数は約4万3000人に半減するとしている。

 こうした「防災対策の効果」を全パターンで示しており、最も効果が大きい日本海溝「夏・昼」では道内死者数9万4000人が1900人に減るとしている。

大半が津波被害
 千島海溝の道内建物全壊棟数は「冬・夕」約5万7000棟が最大。津波による被害が約5万1000棟とほとんどで、火気使用が多い「冬・夕」は火災が約3100棟(夏・昼約600棟)と増える。揺れによる被害は約1700棟。

 津波被害による道内要救助者数は最大約5万1000人。今回初めて低体温症の要対処者数も試算され、千島海溝モデルは道内約1万4700人とされた。

 今回の被害想定は北海道から千葉県までの9道県が対象で、全体の最大死者数は日本海溝モデル「冬・深夜」の約19万9000人。千島海溝「冬・深夜」の全体の死者数は約10万人。

 インフラ等の被害や生産・サービス低下などを考慮した経済的被害額は、日本海溝で約31兆3000億円、千島海溝で約16兆7000億円と試算された。

 防災対策では、迅速な避難や建物の耐震補強、家具固定、初期消火などで、死者数や全壊棟数を減らせるとした。低体温症要対処者数も、避難所への二次避難路や防寒備品の整備でリスクを最小化できるとした。

 内閣府は今後対策の検討を進める予定で、「対策を講じれば被害を減じることができる。『正しく恐れる』ことが重要で、行政、インフラ・ライフライン管理者、企業、地域、個人が対応できるよう備えることが必要」と呼び掛けている。

<千島海溝沿いの巨大地震>
 国は2011年の東日本大震災を受けて17年に再評価を行い、マグニチュード(M)9級の「超巨大地震」の今後30年以内の発生確率が最大40%で「切迫している」と発表。20年に広尾町26.1メートルなど津波高の推計を公表した。被害想定は05年の前想定では「500年間隔地震(M8.6)」で約880人としていた。

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