わら縄作りの現状知る 弘前大生ら能代市内で製造業者を見学

わらを手に説明する佐々木会長(右から5人目)と弘前大生(能代市中関のささやすで)
弘前大農学生命科学部の教授と学生ら5人が17日、研究テーマ「稲わらの利活用」を学ぼうと能代市中関のわら縄製造業「藁工品のささやす」を見学した。原材料の稲わらを集める難しさや、郷土行事の見直しでわら需要が堅調なことなど、昔ながらのわら縄作りの現状に理解を深めた。
ささやすは庭木の雪吊り、かやぶき屋根の素材としてわら縄を販売している。富山湾のホタルイカ漁に欠かせない定置網の素材も提供してきた。一昨年に屋号を「佐々保商店」から現在の「藁工品のささやす」に変更した。
この日は同部の3年生4人と農学博士の泉谷眞実教授が訪れ、作業現場を見て回った。
佐々木修一会長(85)は、木材産業が盛んな能代市では昔から製材品や米俵の梱包用に使っていたことを説明。JR貨物が中心だった時代は輸送中に箱同士がぶつかるので緩衝材としても活用されていたとした。
農業形態の変化で稲わらが不足し県内では調達が難しく、青森県深浦町まで足を延ばして原材料を確保している。現在は、秋田市にある国重要文化財の寺を修復する作業でもわら縄を納めている。佐々木会長は「日本の伝統文化であるわら縄作りは大事な技術。人手がなくて困っているが、技術を伝承しなければならない」と力説した。
わら縄をテーマとする卒業論文に向け研究を進める同部3年の佐藤滉士さん(青森県五所川原市出身)は「ロープや野菜、果樹の被覆材(マルチ)としてわら縄が使われているのは知っていたが、伝統文化として使われているのは初めて知った。手作りの現場を見るのも初めて。わらの野焼きが問題になっているので、新しい利活用が見いだせるといい」と話した。
泉谷教授は「わらは家畜の餌として一番使われている。マルチとしても多く使われ、少ないながらわら工芸品の原料にもなっている。近年は地球温暖化防止の観点からプラスチックの利用が難しくなる一方、自然分解されるわら縄の需要が増えている。時代がわらを必要としている」と関心を示した。
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