浦幌「大和」のスパカツ継承 豊頃「とり良」店主の豊榮さん
釧路名物の「スパゲティカツレツ(スパカツ)」が売りで10月末に閉店した浦幌町内の飲食店「レストラン大和(だいわ)」を、豊頃町内で「とり良」を経営する豊榮良幸さん(35)が引き継ぎ、新店舗「お食事処榮(さかえ)」として来年1月にオープンする。大和の元店主稲垣和幸さん(70)からその味を継承する豊榮さんは「お客さんのニーズに応え、お客さんと一緒に100年続くお店をつくりたい」と見据えている。

店を引き継ぐ形でスパカツの味を継承する豊榮さん(左)。右は稲垣さん
大和は1979年にJAうらほろの店舗2階に開店。スパカツの生みの親である釧路の洋食店「泉屋」で修業を積んだ稲垣さんが、泉屋と同じ麺やケチャップを使い、スパゲティとカツが一体となったボリュームたっぷりの料理を浦幌に広めた。94年に店を幸町52に移し、常連客らに親しまれながら42年間営業した。
一方、豊榮さんは2014年に帯広の居酒屋の店長から転身し、豊頃唯一の焼き鳥店(とり好)を復活させる形でとり良を開業。18年に現在地(茂岩本町34)に移り、焼き鳥や空揚げが売りの人気店にした。現在は夜間のみの営業だが、以前から昼営業に興味があり、大和の閉店を知って「歴史あるお店を誰かが継がないと」との思いですぐに稲垣さんにアプローチ。味を継承する思いも伝えて話がまとまり、厨房(ちゅうぼう)機器などの設備がそのままの居抜き店舗物件を土地付きで購入することとなった。
店内の雰囲気は大きく変えず、メニューも大和を意識したスパカツがメイン。麺や豚肉などの具材、調味料も大和で使われていたものを使い、特製ソースの製法は稲垣さんが1カ月ほど厨房に立って豊榮さんに伝授する。若い人が名乗りを上げたことに稲垣さんは「大和ならではの洋食料理のノウハウを伝えたい」とし、陰ながら支える思いだ。
開店は来年1月7日ごろを予定。豊榮さんは「店内に募金箱を置いたりしてお客さんと共につくる、地域に愛されるお店にしたい」と話す。営業時間は午前11時~午後3時(ラストオーダー午後2時)、不定休。夜間に厨房に立つ料理人がいれば夜営業(予約制)も始める考え。電話は015・578・9020。
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