串本沿岸にも軽石漂着 県が動向を注視
須賀漁港で波打ち際に流れ着いた軽石(14日、和歌山県串本町串本で)
和歌山県が13日、串本町串本にある須賀漁港内や隣接する北側の磯に軽石が漂着しているのを確認した。沖縄県などに大量に漂着して被害をもたらした小笠原諸島の海底火山由来のものとみられる。軽石の数は今のところ少なく漁業被害も確認されていないが、県は今後の動向を注視している。
東牟婁振興局農業水産振興課によると、12日夕方、地元の漁師から県水産試験場(串本町串本)の職員に「上浦海岸に軽石が打ち上がっている」との情報提供があり、13日の朝に県職員が確認。数ミリから4センチほどの大きさの軽石がたまっている場所が10カ所ほどあったという。
須賀漁港で14日、漂着した軽石を調べていた元小学校教諭の串弘好さん(66)=田辺市中辺路町栗栖川=によると、串本町とすさみ町の4カ所を見て回ったところ、すさみ町江住の江須崎でも軽石を確認。「黒潮が蛇行しているので漂着しないのではないかとも思ったが、分流や風の影響で流れ着いたのではないか」と話した。
船を整備していた漁師の男性(77)は「この程度だと影響はないが、細かい軽石を海水と一緒に船が吸い込むとエンジンが壊れてしまう恐れがある。これ以上は流れてこないでほしい」と話していた。
同課の担当者は「各漁協に聞き取りをしており、今のところ被害は確認されていない。今後の動向については分かりかねるが、定期的に海岸や船から様子を見るなどし、増えてきたらオイルフェンスを張るなどの対策が必要。船には安全のために浮遊する軽石を避けて運航してもらいたいし、漂着しているという情報があればぜひ提供いただきたい」と呼び掛けている。
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