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62年前の苫東高新聞を発見、現役局員は質の高さに驚き

苫小牧市王子町の私設文学館「斉藤征義の宮沢賢治と詩の世界館」で、1959(昭和34)年12月5日付の苫小牧東高新聞第40号が見つかった。2019年に78歳で亡くなった詩人の故斉藤征義さんは、同高OBで編集局(現新聞局)の局長を務めていた。現物を手にした現役局員2人はニュースの豊富さや質の高さなどに驚きの声を上げた。

1959年に発行された苫小牧東高新聞にくぎ付けの現役新聞局員

 新聞は、ブランケット判1色刷り4ページ。今年8月、斉藤さんの遺品整理中に見つかったという。

 1面は文化祭が盛況に終わったことを伝える記事がトップで、生徒会長による下半期の生徒会方針の演説も大きく扱っている。

 他の面にはスポーツ部の活躍や修学旅行のルポ、教諭の紹介、高校生の就職事情の記事などが盛り込まれ、文芸欄もある。かつて存在した鶴丸デパートの8周年セールや旭館などの映画広告が掲載されていることも興味深い。

 現在、清水町にある東高は当時、旧東町(現若草町)にありその頃、編集局員は10人。局員の一人として広告集めに奔走し、修学旅行のルポも執筆した斉藤さんの妻啓子さん(79)は、新聞を手に「街に活気があり、どの店も学生のすることを応援してくれた」と懐かしむ。印刷は王子町にあった印刷所に依頼。局員が植字作業に立ち会い、「出来上がっていくのが楽しみだった」と言う。

 市美術博物館や市立中央図書館は学生新聞を所蔵しておらず、同博物館館長の武田正哉さん(60)は「きれいな状態で保存されており貴重」と強調。自身も同校OBで「ジャーナリズム精神の高さは内外に知られていた」と振り返る。

 2年の副部長八木橋幸汰さん(16)は「文字の多さ、内容の濃さに驚かされた。広告も充実しており、市販されている新聞と遜色ないのでは」と興味津々。1年生局員の今井嵩人さん(16)も「製作に懸ける強い信念を感じ、後輩として誇らしい」と述べた。

 苫東高新聞は、4月23日付の新任教諭8人を紹介した733号(A4判2ページ)が最新。新型コロナウイルスの影響で部活動が制限され、今年の発行は本号のみで、昨年も4回にとどまった。

 コラム「風の中」は、最新号でも同じ文字数で続いており、2人は「60年以上前からの伝統が受け継がれている」と感慨深げな表情で目を見合わせた。

 そんな2人の様子を眺めていた同校の教諭で新聞局顧問の丹羽雅樹さん(58)は「先輩たちの情熱を吸収し、これからの紙面づくりに生かしてもらえたら」と期待を込めた。

 局員は現在1、2年合わせて5人。来年の卒業号、入学号の製作準備を進めている。

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